「古代」村落の想像的根拠から「極東の架空の島」へ:要約
本論では、藤井貞和が<うた>の起源に指摘する「双分観から三分観へ、中心(ミヤーク)を意識する」プロセスとジュリアン・ジェインズの<二分心>から意識への変容プロセスとの構造的な連関を、宮古島狩俣の村落の構造と祭祀と神歌との関わりを手掛かりに検証する。
まず第1章では、系統発生的=進化論的な自己の発達モデル(トリーおよびミズン)、および個体発生的=発達論的な自己の発達のモデル(やまだ)と<二分心>モデルの比較検討を通じ、それを「言語以降、意識以前の心の様態」として捉えることによ