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言葉の宝箱 0590【本気でやってないから愚痴が出る】
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二年前に騎手を引退して調教助手となった石松俊太郎。
ブリリアントカノンを骨折させてしまい引退も考えたが、
カノンの世話をして、弟のブリリアントリボンと触れ合い、
調教の仕事を続けることにした。
石松はカノン以上に末脚の伸びる、
そのブリリアントリボンの調教を任されたが、
リボンに騎乗した親友の騎手・獅子沢からの指摘で、
左目の弱視が原因で、距離感が掴みにくくなっていることがわかる。
仲間とともに弱点をカバーする調教が始まった。
リボンの素質のよさを妬んだ厩務員によるリボンの虐めなどもありながら、目標の日本ダービーの出走となる。果たして、リボンは勝てるのか。
ハンディをもつ馬と挫折を味わった調教助手による競馬小説。二章構成。
・気持ちってやつは、いったん切れることで強くなる P33
・「挫折」という言葉の「挫」。なぜ手偏に坐ると書くのか分かる?(略)手を使っちゃったんだな。座禅かなにかで、堪え切れなくなって(略)
挫折って、なんか厳しい字面で、ものすごく大変な失敗に見えるけど、
我慢し切れなくなった程度ってことよ。やり直せばいいのよ P52
・本気でやってないから愚痴が出る。
人の所作に文句を付けたくなる(略)
本気でやればたいていのことができるような気になるし、
なにをやるにしても面白くなる。腰を据えられるかどうかだ P58
・明るいとか朗らかとか、なにを上っ面ばかりみている。
自分が安心したいだけじゃないか P96
・その人間の一番大事なものを壊そうとする。嫌がらせの典型だ。
自分が前に行けないのなら、前にいる人間を引きずり下ろす P195
・嫌なヤツはどこにだっている。
それを踏み台にして、頑張ればいいって(略)
おれも、ぎりぎりのところで立ってる。
だから、搔き乱さないでくれないか。
済んだことを忘れる、許すってことじゃないんだ P214