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言葉の宝箱 1049【大人になるってのは、コンプレックスとの距離感の取り方、付き合い方を体得するってこと】

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『おれたちのD&S(デマンド&サプライ)』須藤靖貴
(講談社2008/6/20)

あとがきに
“ ストーリーラインをしっかりと作り、場面場面の情景を練る。それが小説の書き方の王道でしょう。物語が途中で破綻するような間違いが起こりにくくなるわけです。ですが、『おれたちのD&S(デマンド&サプライ)』はちょっと違った。ストーリーラインもなにも作らず、勢いに任せました(略)決めていたのは、主人公のジャックが勧誘され、ドラマーとしてビートルズバンドを組む、これだけです(略)なにかを始めようとするワクワク感。一人ではなく、それを皆で共有することで、足し算ではなく掛け算のようなワクワク感が広がっていく。物事を成し遂げるのは大変なことに決まっています。でもその一歩手前で、「アイツらがいるなら、きっとできる。オレももっと頑張るぞ」と思える感じが素敵じゃないですか。そのワクワクするような勧誘シーンを久し振りに描いたというわけです P326 ” とある。
埼玉の県立進学高を舞台にした青春小説。

・否定しないこと、否定されないことの素晴らしさ P62

・二度目まではいい。でも三度目には覚えろよ P76

・やって失敗して恥をかきたくねえから言い訳するんだろ(略)
苦手なんて言葉、とことんまでやってから初めて言えよ。
なんだって、やればできるんだよ(略)
研くか研かないかなの。やる気の問題なんだよ P78

・大人になるってのは、
コンプレックスとの距離感の取り方、付き合い方を体得するってこと(略)人が集まればなににだって序列が付いてしまう(略)
なにかしら、自分が劣っていると感じるものがある。
でもそんなものは、
本人が気にしていても、他人からすればたいしたことじゃない P170

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