言葉の宝箱 0893【人間嫌いじゃないのよ。人を好きになるのが怖いだけ】
信濃追分で人形や小物を売る土産物店「ひいらぎ」を営む丸岡一枝。
ある冬の夜、一枝には見憶えのない男の死体が店の前に遺棄され、
信濃のコロンボこと竹村岩男警部が捜査を開始した。
同じ頃東京で本郷追分とかつて呼ばれた場所にある「八百屋お七の墓」で
男の変死体が発見され、警視庁の岡部和雄警部が捜査に乗り出す。
二つの事件に「追分」という共通点があることに着目した
竹村が岡部を訪ねて上京。
手掛かりも少なく捜査が難航する中、
「身元不明だった被害者は夕張炭鉱で働いていた」という情報が寄せられ、捜査陣は北海道へ飛んだ。
・女性はいくつになっても、少女の気持ちを失わないものですもの P44
・追分というのは道ばかりでない。
人の運命の分かれ道でもあったわけですなあ P195
・悲しみには、慣れるということはないんじゃにあかな。
人が死ぬっていうことは、別れるっていうことでしょう。
死んだ人ばかりでなく、家族も別れていくわけ。
親しい友人や、子供たちや、時には恋人同士だって、
別れなければいけなくなるわ(略)
人間嫌いじゃないのよ。人を好きになるのが怖いだけ P233
・殺さずにはいられないほどの憎悪とは、
それに匹敵するだけの愛情の裏返しなのだ P235