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言葉の宝箱 0977【世の中、捨てたものじゃないと思った。卑劣な男に襲われたけれど、心ある男性二人に助けられた】

『ミラーワールド』椰月美智子(角川書店2021/7/19)

女が外で稼いで、男は家を守る。それが当たり前となった男女反転世界。
池ヶ谷良夫は学童保育で働きながら主夫をこなし、
中林進は勤務医の妻と中学生の娘と息子のために尽くし、
澄田隆司は妻の実家に婿入りし義父と共に理容室を営んでいた。
それぞれが息苦しく理不尽を抱きながら、
妻と子を支えようと毎日奮闘してきた。
そんな中、ある生徒が塾帰りの夜道で何者かに襲われてしまう……。
心にささる男女反転物語。

*「日々男女格差を見聞きしながら、ずっと考えていた物語です。
そんなふうに思わない世の中になることを切望して書きました」
――著者、椰月美智子

この物語はこう終わる。
世の中、捨てたものじゃないと思った。
卑劣な男に襲われたけれど、心ある男性二人に助けられた。
犯人は、その日のうちに捕まった P245

・専業主夫になったことによる、いちばんの弊害はー(略)
「妻のことをー、好きじゃなくなったことに尽―きーる」
いや、好きじゃなくなった、なんて甘い言い方では足りない。
妻のことはもはや嫌いだ P32

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