言葉の宝箱 0277【人に負けたっていいから、命を命のまま置いておいて欲しい。きれいな命を守ってください】
『あぽやん』の続編
『テロリストとアイランダー』『空港ベイビー』『ランチ戦争』
『台風ゲーム』『恋する空港(あぽ)』『マイ・スイート・ホームあぽ』の六話連作短編集。
この本の解説に、お仕事小説の説明が
「お仕事小説は、いわゆる企業小説とは一線を画している。
後者は実際の事件や会社をモチーフにして書かれる傾向があり、
往々にしてその事件の裏側を描くことに力点が置かれた
情報小説であることが多い(略)これに対して、
お仕事小説が書くのは、職場と、そこで働く人そのものである。
本書では、成田空港で働く旅行代理店の人たちの職場を舞台に、
主人公遠藤くんが成長する過程がリアルに描かれている」P424
と記されている
・一生懸命生きれば命が輝きだす、なんていうのは嘘ですね。
そのへんにそっと置いておくだけで美しい。
命はすてきなオブジェなんですよ。だから、なんの手間もかけなくていい。人に負けたっていいから、命を命のまま置いておいて欲しい。
命と同じくらい、死についても考えますけど、これはただ真っ黒。
そこにはなんにもない(略)
ただ、お願いしたいんです。きれいな命を守ってください P326
・本気の言葉がひとの心を動かすのだ P329