言葉の宝箱 0082【傷つけたほうは忘れても傷つけられたほうは忘れられない】
『下町ロケット』池井戸潤(小学館文庫2013/12/26)
研究者の道を諦め、家業の町工場・佃製作所を継いだ佃航平は製品開発で業績を伸ばしていた。そんなある日、商売敵の大手メーカーから理不尽な特許侵害で訴えられる。圧倒的な形勢不利の中で取引先を失い、資金繰りに窮する佃製作所。創業以来のピンチに国産ロケットを開発する巨大企業の帝国重工が佃製作所が有する部品の特許技術に食指を伸ばしてきた。特許を売れば窮地を脱することができる。だが、その技術には佃の夢が詰まっていた。
第145回直木賞受賞作。
・部下を心底信頼できない苛立ちが(略)
無口にさせる P34
・人間の本性が現れるのは、平時ではなく、追い詰められたときである(略)一旦保身に走った人間が、いかに頑なで自分勝手か P62
・この世の中には二つの規律がある。
それは、倫理と法律だ。
俺たち人間が滅多なことで人を殺さないのは、
法律で禁止されてるからじゃない。
そんなことをしたらいけない、という倫理に支配されているからだ。
だが、会社は違う。会社に倫理など必要ない。
会社は法律さえ守っていれば、
どんなことをしたって罰せられることはない P77
・金は人を変えるんだ P79
・傷つけたほうは簡単に忘れても、傷つけられたほうは忘れられない P204
・リスクのないところにビジネスがありますか P230
・会社とはなにか。なんのために働いているのか。
誰のために生きているのか(略)
会社経営における、まさに本質的な問題だ P291
・なにが正しいかは、後になってみないとわからないさ(略)
肝心なことは、後悔しないことだな。
そのためには、全力をつくすしかない P333
・挑戦の終わりは新たな挑戦のはじまりだ P463