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言葉の宝箱 0059【ガンは優しい病気だよ。死ぬまでの時間が読める】


『サリエルの命題』楡周平(講談社2019/6/18)

悪魔のウイルスの名は「サリエル」。
医療に通じ、癒す者とされる一方で、
一瞥で相手を死に至らしめる強大な魔力、『邪視』の力を持つ堕天使。
日本海に浮かぶ孤島で強毒性の新型インフルエンザが発生し、
瞬く間に島民全員が死亡した。
アメリカの極秘の研究データが流出して人工的に作られたという疑い。
テロの可能性が囁かれるうちに、
本州でさらに変異したウイルスの罹患者が現れる。
ワクチンもなく、
副作用が懸念される治療薬が政府の判断で緊急製造されるが、
感染が拡大しても全国民にはとうてい行き渡らない。
刻々と事態が変化していくなか、果たしてパンデミックは回避できるのか?


・二人が友情と信頼の絆で結ばれていることは確かだが、
それも双方にメリットがあればこそ P6

・老いを欠いた、ただの長寿に意味があるんでしょうか P8

・科学の進歩というものは、
人間を、社会を必ずしも幸せにするとは限らない P14

・人間は、人を幸せにする技術を確立することに心血を注ぐ一方で、
不幸にする技術の開発にも余念がない。
そして、どちらに才を発揮するかといえば、間違いなく後者だ P106

・病の克服は、必ずしも人間社会を幸せにするものではない P111

・ガンは優しい病気だよ(略)
死ぬまでの時間が、ある程度読めるんだからね。
人生を終えるに当たっての整理を自らの手で行うこともできる P112


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