言葉の宝箱 0837【『日本は生まれ変わりますよ』既成の悪徳政治家や官僚や経済人が力を失い、あるいは失脚して、そこから若い力が台頭してくるはずです】
『中央構造帯(上下)』内田康夫(講談社文庫2005/9/15)
将門ゆかりの地で、
次々に日本長期産業銀行の関係者が殺される事件が発生、
「これは将門の怨霊のせいに違いない」と噂が立つ。
一見、将門伝説を悪用した連続殺人事件の様相を呈してゆくが、
実は見せ掛け。
浅見光彦よりもヒロインの阿部奈緒美の存在が光る銀行の破綻劇。
推理小説であり、経済小説、恋愛小説であったりもする。
・正義を行うことや信念を通すことの難しさが身に沁みた P34
・恋心だとかときめきだとかは、
年齢に関係なく、いつも新鮮であったほうがいい(略)
恋をするそのときどきに新しい感動もあるし、悦びだってある(略)
その瞬間はいつだって青春なのよ P75
・(ほんとかな? ――)と首を傾げるよりも、
そこに何かの意味を推量するほうが面白い P175
・人間の値打ちは物と金と権力だと、勘違いした P198
・経済なんてものは噂で動くものだよ P238
・祟りだの呪いだので死んだり生きたりすることがあってたまるもんか。
祟りなんかより、人間の仕業のほうがよっぽどたちが悪い ㊦P114
・膨大な国防費は、抑止力という名目で、
とどのつまりは無為に使われている(略)
平和を金で買うのは悪だと言われようと(略)
戦争よりよほど平和的ではないか ㊦P117
・軍隊の存在しなければならない世の中を嘆いている ㊦P120
・戦友会というのは、思い出を懐かしむというより、
辛くて悲しい記憶を慰めあったり、
生きていることを確かめあう
絆のような意味があるのじゃないかしら ㊦P180
・狂気に駆られると、人間は信じがたい行動に出ます ㊦P222
・『日本は生まれ変わりますよ』(略)
既成の悪徳政治家や官僚や経済人が力を失い、あるいは失脚して、
そこから若い力が台頭してくるはずです。
僕たちはそれを期待し、新生日本の誕生を信じています ㊦P309