言葉の宝箱 0024【妻を亡くした男性は、後を追うようにして逝くことが多い】
『京都下鴨なぞとき写真帖 2 葵祭の車争い』柏井壽
(PHP文芸文庫2019/5/22)
京都の老舗料亭の当主の朱堂旬は
「番頭に仕事を任せて遊んでばかり」と周囲には思われているが、
実は人気写真家の金田一ムートンとして、
葵祭、祇園祭、十日ゑびす、人形寺や紅葉の名所等、
京都の風物を撮影していた。
彼のカメラが捉えるのは景色だけではなく、訪れる人々の秘めた悩み。
『松葉』のにしんそばなど京都グルメでその心を癒しながら、
ムートンは彼らの問題を解きほぐしていく。シリーズ第2弾、
『大路の紅葉』『十日ゑびすの壺』『人形寺の雛人形』『葵祭の車争い』『祇園祭の無言詣』5話連作短編集。
・口は使ても、金は要らん。
あんじょう口を使わんともったいない P8
・妻を亡くした男性は、後を追うようにして逝くことが多い P40
・見た目が地味なものほど美味しさが籠っている P178