言葉の宝箱0275【ネットの世界の特質として匿名性を挙げるひとは多い。本音の発言が出来る。あるいは本音以上の過激なことも言える】
平凡な公園ランナーであるインテリア会社『ワンダーケース』の社長・高木雅弘は所属するランニングサークルの仲間達と行なっているレースにハマっていた。ある日高木のもとに「明日のレースには負けなさい。さもなければ、ひとが死にます」と書かれた一通の郵便が届く。そして翌日、高木がレースに勝つと、さっきまで走っていた公園内で本当に男の死体が発見され、その男は大学時代の同級生だった。ランニングミステリ。
ランニング小説として楽しむことができるが、
ネットの世界の怖さを如実に物語ってもいる。
・ネットの世界の特質として匿名性を挙げるひとは多い。
とくにひとと交わる掲示板やツイッターなどは、
それ故にひとが集まってくるのだし、本音の発言が出来る。
あるいは本音以上の過激なことも言える。
普段は気弱な者が強気なことを言えたりもするし、
リアルの世界では何ももたない者が神ともてはやされて
ヒーローになることもある。
逆に、匿名であるが故に、
リアルで力をもった者が、その力を発揮できずに
フラストレーションを溜めることもあるのだと思います。
本名を名乗って力を誇示したら、それこそ袋だたきに遭いますしね P181