言葉の宝箱 0993【おだやかで平凡な日々をおくることが、この世の中でもっとも幸福なことなのだ】
『百瀬、こっちを向いて。』中田永一(祥伝社2008/5/20)
「人間レベル2」の僕は教室の中でまるで薄暗い電球のような存在だった。野良猫のような目つきの美少女・百瀬陽が、僕の彼女になるまでは。
しかしその裏には僕にとって残酷すぎる仕掛けがあった。
「こんなに苦しい気持ちは、最初から知らなければよかった」
恋愛の持つ切なさが込められた『百瀬、こっちを向いて。』
『なみうちぎわ』『キャベツ畑に彼の声』『小梅が通る』4話恋愛小説集。
・世の中には一生、
女の子と縁がなく、手をにぎることもできない人間が存在するのだ(略)
人間レベル2とは、そのような運命を背負ったかなしい存在なのだ。
メスカマキリに喰われてしまうオスカマキリみたいに、
それはもうかなしい存在なのだ P18
・おだやかで平凡な日々をおくることが、
この世の中でもっとも幸福なことなのだ P192