日本人らしい美意識
今日は西行法師の忌日。今日の一言は和歌です。
「なにごとのおはしますか知らねども かたじけなさに涙こぼるる」
伊勢神宮参拝時に詠んだ歌です。
名門の出身で身分、富、名声も若くして持っていたにもかかわらず全て惜しげもなく投げ打って出家した西行。源頼朝、藤原秀衡をはじめとして生きかたに惹きつけられる多くの支持者がいました。全国を旅して周り、吉野山などに庵をむすんでいます。吉野山は桜の名所で、庵は少し奥まった場所にあり今でも見ることができます。
この歌は伊勢神宮に参拝した際の歌。目には見えないが何か大いなる存在にあたたかく包まれていてありがたさに涙がこぼれるという意味です。伊勢神宮など自社仏閣を参拝するとこういう感覚に包まれる事がありますが、これを和歌に言語化したのは流石と思います。日本人らしい美意識が非常につまった一首。自然や目に見えないもの、祖先とのつながりを大事にするこの感覚は日本人独特のものでしょう。日本人がこれから世界で生き延びていくには、日本人独特の感性を活かす事がカギになります。それこそが武器になるからです。今日も強みを磨きましょう。