さよなら、最愛の人

2023年9月10日
大好きな恋人と別れた。

彼のことは、誰よりも好きだった。

体のいい言葉だ。実際には、未練から始まった恋。一度諦めた恋なのだから。それでも、彼のことはどうしようもなく好きだった。

彼に意識してもらうことも頑張った。彼に告白を受け入れてもらった時は、本当にどうしようもなく嬉しかった。

どこから間違っていたのか。はじめからかもしれない。
彼と恋人になる前に、恋人以上のことを先に終わらせてしまったからかもしれない。心のどこかで足伽となっていたかもしれない。

お金がないという彼とは、ほとんど遠出はしなかった。でも、近辺で色々回ったり、訪れたりすることは楽しかった。彼と決めた1年でやりたいことは一つも叶えられないままだったが、それでも彼と過ごす日々は、とても有意義だった。

いつだったか、彼に「好きかどうかわからない」と言われたことがあった。あの時からだろうか。私の心は崩れ始めた。彼も変わってしまった気がする。

あの時は、彼の心をつなぎとめることに成功したが、あまり連絡を取らなくなったし、電話をすることも減った。彼が離れていかないか不安になることは増えたし、彼優先でデートをすることも増えた。

きっとバランスを崩してしまったんだろう。

バランスを崩すとなかなか元には戻らない。
私達はお互いを想い合えなかったみたいだ。

彼の愚痴はすぐに言えるのに、好きなところをすぐに答えるとはできなくなった。心を痛めること、悲しいと泣くことも増えた。諦めることも増えた。

彼が変わってくれることを期待した。変わってくれたら、今の状況は打開されてすべてうまくいくんじゃないかと思った。

私は知っていた。人は簡単には変わらないってこと。

付き合う前から、付き合ってからも、少しアルバイトをしただけで、そのあとは仕事をすることはなかった。就活していると言いながらも真剣さは欠けていたし、親の言いなりみたいだった。
約束していたことは簡単に破られ、埋め合わせをされることもなかった。
当日に、親を優先されて、ドタキャンされることもあったし、プレゼントをもらえることなんてなかった。
彼と繋がることも気後れし始めていた。

こんな彼でも好きだったのは、ただの依存なのか。確かに依存しやすいタイプではある。でも、彼を好きだったことを否定されることは耐えられない。

客観的に見れば、なぜ早く別れないのか、なぜ好きなのか分からないと言われるだろう。実際に色んな人に言われてきた。

彼と別れてから、別れたことを報告した。急だと驚かれたり、別れを告げたきっかけをきかれたり、よかったと喜ばれたり。複雑な気持ちだ。

彼と別れて、もう生きていけないと感じた。しんどかった。

でも、前を向くしかなくて。彼以上に好きになれる人がいるのか分からないけど、彼のことはもう過去の人にしてしまおうと思う。

彼にもう一度会いたいと思ってしまうが、友達から止められた。
まだ未練があるうちは、情が湧くから会わない方がいいと。

このままいくと、きっと一生会えないだろう。
未練も依存もあったかもしれないけど、彼のことが本当に好きだった。

それだけは、周りにも自分にも否定したくない。

さよなら、最愛の人。

直接言えなかったけど、どうか幸せに。

私はあなた以上に幸せになるつもりです。