ゆるい床にはフタをしろ! 〜福祉用具の隠し技 ①
先日、床がミルフィーユになる話を書いたら意外に閲覧数が多く、皆さんこれに悩んでいるのだなと認識した。
本日はそんな皆さんに宛てた、隠し技をご披露しよう。
と言っても、意識してその使い方をしたのは今回が初めての、新鮮ホヤホヤな奴である。そして介護認定が出ている方、ほぼ限定の対策である。
今回、それに気づいたのは床下収納のおかげであった。
台所などにある、蓋を外すと、下にボックスとカゴが付いていて、いつ漬けたかもしれない梅酒などを保存しておくアレである。
あれはもともとの床に穴を開けるため、周囲を補強しつつ床板もきっちり納めなくてはいけないのだが、その辺が適当だったりすると、やっぱりフニャフニャしてくることがある。
今日は増築を繰り返した木造住宅が現場で、台所からお風呂が直結という、チャレンジングな間取りであった。なので、お風呂を出てすぐのところに床下収納があり、そこが頻繁に踏まれることによって撓んでいたのだった。そりゃそうなるよね。
さて、そんなお風呂の中の手すりの工事の際に、お風呂の中を養生したため、その外側に荷物を置こうとしたら、移動時にあまり適当なところがない。そのためレンタル品の手すりのベースプレートに乗ると大変調子が良いことに気づき、そこを居場所にして作業を始めた。
そして、気づいたのだ。床の柔らかさによる不安を感じないことに。
今まで散々、住宅改修が必要な理由書の中で「貸与品の手すりのベースプレートのへりに躓くから壁に手すりを取り付ける」などと、君の責任を追及してばかりいて済まなかった。
君のこのやたら重たいベースプレートは、それだけで価値がある。
君は手すりだけの存在じゃない。
そして、新しい手すりを取り付けた後、返却する予定だったそのレンタル手すりの、隠された効能についてご家族様にお話しし、こちら土壇場でレンタル継続となった。
手すりとしては、浴室の入口に縦手すりをつけたため、当初の浴室の出入りの為という目的はそれで足りたと言える。
でも、隣のガラス戸の周辺を通る際に、その手すりは改めて使えるので、そこで再び利用した扱いに仕立て、あらためて床下収納をまたぐ形で、その置き型手すりのベースプレートを配置してみたのだ。
その結果、手すりが充実しただけでなく、その不安な足元がしっかりしたことで、二重の安心感を得られたのである。
そして、実は今回のような床下収納の不安感問題だけでなく、前記事のような床ブカブカのケースでも、同様にレンタル手すりを配置することで、応急処置ができてしまうのではないかという天啓を、本日得た。
理屈ばかりでお腹がでたおじさんでも、現場に出れば発見があるものである。
後日、アップしようと思っている記事にも似たような例はあるのだが、福祉用具の本来目指したものとは違う部分の機能が、介護保険では想定されていない効果を発揮して役立つことがある。
表立って、床が柔らかいからレンタルの手すりを置きます!とは決して言えないのだが、こういう効果が得られることを意識しておくだけで、提案の引き出しが広がるよな、と思った次第であった。