ポジティブサイクルを回そう!
「働き方」が問われて久しい中、各方面、現場でいろんな議論がされていますが、一番重要な「何のための改革か?」という議論が、以外と抜けているように思いませんか?
当社は、社員が幸せになる「無くてはならない会社」を皆でつくるために、「働きがい改革」を進めています。
働き方ではなく、働きがいに焦点を当てています。
それを「ポジティヴサイクルを、皆で回す」ことと、社内ではさらに再定義して、様々な活動や変革を進めています。
では、そのポジティヴサイクルとは、どんなものでしょうか?
生産性の向上
まず、何と言っても重要なのが、「生産性」の向上。
これは、製造業である私たちの本懐ですから、常に改善をすることが付加価値を向上させる上でのベースですね。
生産性とは、如何に少ないインプットで、如何に多くのアウトプットを上げるかということ。
如何に、効率良く仕事をするかということ。
如何に、短時間で済ませるかということ。
如何に、ロスなくスループットを得ること。
当然、工場作業ひとつひとつを取り上げることもあれば、受注から納品までのフロー全体の効率。
また、間接作業の事務的効率、しくみやプロセスの効率。
生産性を改善する事の無い仕事、職場は存在しません・・・
なんか生産性というと、数値の目標や指標でがんじがらめに縛られて、窮屈なイメージをお持ちの方もいるかもしれませんね。
逆に、気持ちやモチベーションの生産性、定性的な生産性だって、あってもいいと、私は思います。
では、実際には誰のための、何の為の生産性向上でしょうか・・・?
もちろん、お客様に早く安く良いものをお届けするためですが、裏を返せば私たちが、「楽に」「早く」「楽しく」仕事をする為の生産性向上の結果、お客様に喜んでいただけると思った方が良さそうですね。
労働時間の制限の影響
昨今、法規制が強化された、「時間外残業の削減、制限」や「有給休暇の取得義務化」。
これも、「生産性の向上」を促すためというのが、正しい解釈でしょう。
でもルールだけを捉えてしまうと、生産性を議論する上で本来必要な、インプット時間あたりのアウトプットの中の、インプット量だけがルール化されて、アウトプットの質や量は置き去りになってしまっています。
「どうやって、休むか?」ばかりに焦点が行き、アウトプットの質や量が意識されない職場では、完全に上滑りの片手落ち社会になってしまいそうです。
確かに過労死や労働負荷の低減、余暇の充実などの目的もありますが、そんな事を言っていたら、働きたい人の自由と権利を逆に奪うことにもなり、憲法違反になります。
例えば、若いうちに人より努力して、早く一人前になりたい、成長したいという人にとって、もしその技能スキルがある程度経験時間や経験量に比例するような仕事だった場合には、その意思まで否定してしまいます。
私は、サービス残業のように賃金を払わないことには反対ですが、少なくとも努力の量には、何らかの形で応えるべきだし、自分の意思と選択で、沢山働きたい人の権利や意思も尊重すべきだと思います。
残念ながら、個人事業主や取締役などの時間に縛られない働き方をするしか、その解決策はありません・・。
(ホワイトカラーエクゼンプションも完全に制度設計ミスですね)
生産性を上げるのが本来の目的であると皆が理解し、その上で、どうやって法規制を守って自分たちの職と職場を守るのか。
海外との競争の中で、日本でのものづくりで生き残るのか。
すべての社内活動をポジティブに捉え、生産性向上に繋げて行きたいです!
正社員でも短時間勤務
当社の働き方改革の特徴のひとつ。
ダイバーシティを考える上でも、社員の生活上の背景や意思の多様性を汲んで、長く安心して働けるうように、就業規則に定めています。
言葉で説明をすると、長ったらしくなるので、こんな感じ。
簡単にいうと、「正社員」と「短時間正社員」との職制を用意することで、人生の中で不本意に働き方を見直さなければならない方に、安心して自身の生活と向かい合って貰おうという主旨です。
また、女性特有の人生におけるイベントの際にも、活用していただきたいと思っております。
既に制度化されている、育児休暇や介護休暇制度などを上回る、独自のルールです。
人生100年時代と言われますが、定年延長の制度など長く働ける制度も重要ですが、途中でキャリアを無駄にしないような仕組みも同時に重要ではないかと思います。
私が想像するに、きっとこれからは、副業やパラレルキャリアで働く人が増えることも相まって、「正社員だから必ず定時勤務」ではないルールがスタンダードになると思います・・。
さて、当制度を運用する上で、一番大事なことは何でしょうか・・・!?
それはズバリ、「まわりの社員の皆さんの、理解と協力」だと思います!
人生、誰にでも不慮の出来事、不本意な出来事、そして出産や介護などのイベントは、起こりえます。
人ごとではありません。
だったら、我が社ではお互いに、思いやりを持って、その方の人生まで応援しようではありませんか。
忙しい時の欠勤、時短、有休・・・・
ついつい、文句を言いたくなります。
でも、そこをグッと切り換えて、「留守は俺たちに任せろ!」という、チームの風土が不可欠です。
そして、さらに重要なのは、仲間への感謝です。
皆さん、一人一人が相手に無関心な会社であったら、そもそも成り立ちません。
そんな「短時間正社員制度」の運用に挑戦しています。
女性が働きやすいと皆嬉しい
さて、働き方を語る上でもう一つ重要な要素。
それは「女性活躍」ですね。
いろいろな切り口がありますが、あくまで女性の社員を増やせばいいということではないと思います。
でも、女性を仲間に今まで以上に迎えることで、働き方が改善される可能性は大いにありますし、その経験もしてきました。
女性が生き生きとやりがいをもって働ける環境を整備すること。
男性しかできないと、思い込みで決めていた仕事についても、見直すこと。
(製造業は、男性社会のレガシーがいろいろと・・・)
結婚、出産、子育てなど人生の様々なステージに、配慮するルール、風土であること。
女性でも、オペレーションしやすい、設備装置、職場環境の改善
・・・
まだまだ、いろいろとやるべきことがあります。
”女性が働きやすい” と言うことは、言い換えれば、男性だってもっと働きやすいし、あらゆる人が働きやすい視点の取り入れに繋がるんですよね。
いずれにしても我が社が、男性女性、ジェンダー、その他障害関係なく、ひとりひとりが幸せになる環境を作っていくこと。
大変な課題ですが、一歩一歩できることからです・・。
すでに当社では、めっき工場には珍しく、女性社員が営業の先頭に立ってくれたり、外国人正社員が活躍してくれたりしています。
ベトナム子会社は、さらに女性活躍のモデル、お手本になっています。
重要なのは、精度や仕組みよりも、実は我々の「意識改革」ですかね・・・
働きがい改革へ!!
みんなで生産性を上げた結果どうなるのか??
「利益」を出す!
「利益」を出し続ける!
利益が出なければ、つまり赤字であれば、会社はいつか無くなってしまいます。
その前に、お給料もそうですが、あらゆる費用を使う上で制約が出てきます。
そのため、自分たちがやりたいこと、実現したいこと、環境をより良くしたいこと、「なくてはならない会社」を作るうえで、手段が制約を受けます。
製造工場という機能を持っている会社である以上、設備投資や環境投資をしなければ、生産性や安全性の改善はどこかで限界がきます。
一方、利益が出続ければ、会社はもちろん皆さんにどんどん還元されて、皆さんの処遇や生活も豊かになりますよね。
出所は、会社というより皆で産み出した付加価値の積み重ねです。
もちろん、世の中お金だけではありません。
それ以外に、幸せになる手段はいろいろありますが・・・
「利益は目的ではありませんが、大切な手段です!」
だから、利益(付加価値)をしっかり確保していきます!
働き方改革を人ごと、会社ごとではなく、みんなが自分事として、主体性をもってチームでこのサイクルを回し続けること。
最初は小さな流れでも、だんだん多くの人や多くの改善が渦となり、求心力と遠心力を持って、大きな流れになっていくと素晴らしいですね。
「無くてはならない会社」で幸せになりましょう!
※ 2018年 社長VOICEより