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鬱の原因、反芻思考を攻略できそうなので過程を記録する。その1

 振り返ってみると、僕が高校生の頃にはすでに反芻思考気質がその顔を覗かせていたと思います。やたら過去に起きたことやストレスに感じた記憶が自然と頭の中をループするのです。

 他人と長く一緒にいると気疲れする体質は昔からで、ひとりの時間が大好きな僕は大学時代、青春18切符を利用し鈍行列車の旅をよくしていました。この時車窓からは普段見慣れない雄大な自然や景色を見て感銘を受けていた一方で、本当は忘れたい普段の嫌な記憶が勝手に呼び起こされることも多々ありました。

 おかげで、なぜか旅行しているのにイライラを感じたりすることが珍しくありませんでした。旅行を終えて自宅に到着した時は、一応イライラよりも爽快感が上回ってくれたのでストレスは減りましたが、結局日常に戻れば反芻思考気質がまた顔を覗かせ、ストレスをためやすい日々となっていきました。

 月日は経って社会人に。

 やはり嫌なことがあると頭に残りやすい。

 気にせず感情を安定させながら仕事をこなしている方達がうらやましく感じる日々。

 それは今でもそうです。

 こうやって過去の気づきを文字に起こしていると、早めに対策が打てなかったのか?と問いたくなります。ですが解決方法がわからず、そもそもこの記憶のループに「反芻思考」という名称がついていることを知ったのはつい2年前のことでした。

 今となって言えば、これは鬱病を発症した人にありがちな思考パターンなので、病院にかかることが最適解だったかもしれません。ただ、知識がなかったのでそれにすら気付きませんでした。仮にそれを知ったところでプライドが邪魔して病院にはいかなかったと思います。

 ちなみに僕は新卒で入った会社を辞めています。原因はこの気質に加え、感情を一切なくして仕事を進める&高圧的な態度を取る社員が多く在籍する社風が見事にミスマッチ。「このままでは自分が会社に最適化され専用のロボットとなり、自分の良さが消えてしまう」辞職する前の半年間はこの感情をほぼ毎日のように反芻しており、他にも理由はいくつかありましたが退職に至りました。

 前提として書いておきますが、反芻することを望んでなどいません。反芻する時間を改善する時間に充て、成果を上げたいのが昔も今も変わらない本音です。反芻は集中力を欠くし無駄に時間と思考体力を奪われるので厄介です。

 またまた月日は流れて現在。

 僕の特異な気質はHSP(Highly Sensitive Person、世の中では「繊細さん」と言われる)という類属にカテゴライズされることが分かりました。これは2020年最大のニュースでした。

 HSPとして紹介されている気質は多々ありますが、その中で僕に合致するのは

1.音・光・揺れなど振動全般に敏感であること
2.オタク気質なこと
3.創造性が強い

です。
(僕が持っていないHSP気質についてはまた今度書こうと思います。)

 つまりこの3つの気質が反芻を呼び起こしやすくしていると現在考えています。

 2のおかげで、僕は他人よりも多くの情報を収集できます。なぜなら、四六時中好きなことについて考えられるからです。例えばキャンプで、2020年の夏にはテントを立てて寝袋を入れて寝るくらいしかやってませんでしたが、9月から12月にかけて本気でキャンプした結果、食事は12種類作れるようになりましたし、チェーンソーや斧の使い方も習得しました。薪ストーブをピザ窯にしたり焚火台にしたりと、創造的な活用法をYouTubeにも動画を投稿するようになり、薪ストーブの動画だけで2万回再生されるようにもなりました。

 とにかく好きなものにハマれるのがオタク気質の良いところで、3の創造性がこれに拍車をかけていることが分かります。ニヤニヤしながら独り言をブツブツ言っている時すらあるわけです(自室でしかしませんがw)。一方でこの気質の使い方を間違える、つまりネガティブなことばかり考えることもできてしまうのです。過去の嫌な記憶に対抗する妄想が、クリエイティブに作り出される。これが反芻思考の原点になっている気がしています。

 だいぶ前置きが長くなりましたが、ここからが本題。

 なぜ反芻思考がスタートしてしまうのか?反芻を呼び起こすトリガーを「キュー」と呼びます。キューがなければ反芻は起きません。僕にとってのキューは視覚と聴覚から入ってくることが、記録の結果分かっています。

 視覚と聴覚からの刺激を分解すれば、それは色や動作、音など。つまり振動とみなせます。上記1の特性が絡みますね。普通の人ならなんてことない風景、音にも過敏に反応するのは子供の頃からで、まさに1の資質が何でもキューにしてしまっていると考えます。

 スマホでニュース記事を読んでいると、まあ意図せず反芻するわけです。まずどんな状況で反芻が起きたのか、どんな反芻をしたかを逐一メモりました。

 例えば「それはない」というキーワードがあったとしましょう。僕の中には「それはない」という言葉に強いネガティブな記憶が含まれています。その言葉が「肉声」として自然にフラッシュバックされます。この時、過去の情景やそいつの顔などは一切出てこなくて、100%事実の肉声の記憶がその瞬間、僕に訪れます。

 整理すると以下のようになります。

キュー:文字
アクション:肉声のフラッシュバック

 これを第1反芻と勝手に読んでいます。

 上記は文字情報からでしたが、風景や動画のワンシーンからも、その状況を脳が類推して同じようなネガティブな記憶を引っ張ってくることがあります。こういう時は肉声記憶よりも映像記憶の方が支配的な傾向にあります。

 つまり、文字や音声をキューとする場合は肉声記憶が呼び起こされ、ビジュアルをキューとする場合は映像記憶が呼び起こされるということ。ネガティブな反芻に対してのみ記録した結果ですが、きっとポジティブな反芻に対しても同じかと。

 で、ここからが問題。

 事実記憶として呼び起こされた反芻思考をその場で俯瞰し「これは反芻思考だわ、Aがキューになったんだな。今集中すべきはB、以上」と、その場で分析できれば反芻はSTOPします。というか、その声が1度聞こえただけで終しまい。

 が、ここで抜け出せないと今度は自己防衛するかのような思考というか肉声or映像が登場します。

 これは完全な妄想で事実無根。整理すると以下のようになります。

キュー:呼び起こされた事実記憶(第1反芻)
アクション:自己防衛の妄想

 これを第2反芻と勝手に呼んでいます。

 この第2反芻をキューに、またまた反芻が来て、ループしていく流れです。僕の場合、この反芻の内容は事実記憶と妄想のどちらかが登場します。これが僕の反芻のロジックです。

 第2反芻に入ると抜け出すのに結構苦労します。どうやって抜け出せているのかはいまだに不明で、何かしらのきっかけで脱出しているんだろうなと。

 ここからは推論ですが、第1反芻を真逆に使うといいかもしれません。予め何かのキーワードを設定し、そのキーワードが出てきたら何かをする、要はif-thenルールを適用することで反芻からの脱出を試みるわけです。例えば

if:自分以外の声が聞こえたら
then:ノートにその事実をメモする

 こうすれば瞬時に自分を客観視できそうですね。何が起きているか分かれば、我に戻りやすくなるかと。これは試してみて、何かしら成果が出たら新しくnoteに書いてみようかと思います。

 さて、反芻の対策方法についても考えてみました。

 大きく分けると2種類で「応急処置」と「予防」です。

 ただし応急処置は、自分が反芻していることに気づけないと使えない手です。上述の通り、僕の傾向として反芻している時はその事実記憶or妄想に没入してしまっているのです。そのため、自分が反芻していることに気づかず、運よく反芻から脱出できた時には頭が疲れている、という状況です。

 なので反芻に気付く、あるいは反芻が出ない状況を作れるような「予防」に注力することが大切だと考え、取り組んでいます。

 では具体策。

1.瞑想する
 瞑想は、今ここに集中するトレーニングで、逸れた意識を今ここに戻す作業が発生します。逸れた意識を戻す、あの独特の感覚を体得することで、反芻が起きても我に戻りやすくなる、という理屈です。これは体感値としても結構あるので継続していきます。

 最近気付いたのですが、瞑想は「その場に座って目をつぶって呼吸に集中する」というオーソドックスな方法以外にも応用が効くということ。

 有名なのは歩行瞑想で、歩いている時の足の状態に意識を向けるというもの。ようは一点集中する物を決めて、意識が逸れたら対象物に集中し直すプロセスを得られます。

 僕は普段、自転車でジムに通うので、信号に視点を合わせ自転車を漕ぎます。もちろん周囲の安全には気を配るため、信号から他のものに集中対象が移ることもあります。それでも、集中する対象を決めておいたこと、また信号という目ですぐに判断できるダイレクトな光が、自分を我に戻してくれました。

 他にはジムでトレーニングしている時は、視点をある部分に定め、筋肉の動きに集中します。目からの刺激が大半を占めるため、目の対象物を固定しておかないと筋肉の動きだけに集中するというのが僕にとっては難しいです。例えば無意識のうちに頭が動けば、当然目の位置も動くため、見えていた景色に変化が生じます。これがキューになることがあるため、見る場所を固定するのには意味があると思っています。

 視点を固定すれば自ずと姿勢にも良い影響が出て、筋肉の動きも一定になりやすいのかな、というおまけもある気がしています。


2.反芻が起きなかった原因を分析する
 これはまだ分析中なのですが、とりわけ反芻が100%出ない動作があります。それは危険を伴う作業。

 例えばキャンプで最も没入できる作業は、斧を使った薪割りです。想像にたやすいですが、斧を振り下ろした時に場所が悪かったり、フォームが乱れていたら一発で怪我につながります。対象物を意識し、斧が降りる場所を考え、身体の姿勢をしっかりと整えて斧を振り下ろす。こうすることで薪が気持ちよく割れていきます。

 ここに反芻する余地などありません。今すべき作業に全神経を集中する必要があるわけです。

 ん? お気づきの方もいらっしゃると思いますが、これって瞑想っぽいですよね。瞑想的に作業する方法が見つかれば、どんな仕事でも高い集中力を維持できる可能性があります。

 他には、このnoteを書いている時に反芻は出ませんでした。構成をつねに考えて、次にどんな文章を書くか、そして書き進めている時は、まさに目の前のことに集中できています。加えて文章は進捗が目で見てパッと分かるのでゲーミフィケーションも働いてテンポよく作業を進められると思います。

 これを数式化できれば、反芻を起こさせない方程式が完成しそう。この抽象化作業に現在取り組んでいます。


 成果出たら更新しよ。

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