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アニメ関連記事まとめ

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私が書いたアニメに関する記事をまとめています。
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#私のイチオシのアニメ

「預言者」世界的ベストセラー詩集のアニメ化

今回はアニメ映画「預言者」について書いてみたい。 これは比較的マイナー作品に思えるかもしれんが、実は2015年の米アニー賞インディペンデント作品部門で、最終選考に残った4作品のうちのひとつがこれだったんだよね。 その時の4作品というのが、次の通り。 「父を探して」(ブラジル) 「バケモノの子」(日本) 「思い出のマーニー」(日本) 「預言者」(アメリカ/フランス/カナダ/カタール/レバノン) 結局、この中で最優秀をとったのはブラジルの「父を探して」でした。 で、この時

異世界転移系アニメの元祖「ポールのミラクル大作戦」

皆さんは、かつて「アニメ界の欽ちゃん」と呼ばれた笹川ひろしという演出家を知ってますか? 笹川ひろし(1936年生まれ) 昭和にタツノコプロが黄金期を築けたのは、確実に笹川さんの力による部分が大きい。 実際、彼が監督を手掛けた作品をざっと挙げてみようか。 「マッハGOGOGO」(1967年) 「おらぁグズラだど」(1967年) 「ハクション大魔王」(1969年) 「いなかっぺ大将」(1970年) 「新造人間キャシャーン」(1973年) 「てんとう虫の歌」(1974年) 「

まさか中国アニメに萌える日がくるとは・・「羅小黒戦記」

今回は、中国アニメ「羅小黒戦記」について書きたいと思う。 ・・これ、いまや巷でスゴイ人気だよね。 中国アニメ史上NO.1の傑作という呼び声も高く、うん、そこは私も大筋同意である。 この作品の何が素晴らしいかというと、やはり<画>である。 特に、キャラデザが傑出している。 これが本作主人公の小黒で、こういう猫状態の時もかわいいし、 こういう人間状態の時もかわいい。 線の量が多くない、シンプルなキャラデザイン。 それでいてここまでかわいさを出せるのは、日本のコミック文化でし

アニメのプロ100名が選んだベスト映画百選

今から10年ほど前の話になるんだが、アメリカのTIME OUT誌が「アニメのプロ100名が選んだベスト映画百選」という企画を実施したことがあるのよ。 「アニメのプロ100名」って誰やねん?とも思うけど、どうやらピクサーの社長を始め、世界各国の著名なアニメ作家の方々がこれに協力したとやら。 日本からは、国際映画祭での華々しい活躍でお馴染み、山村浩二さんが協力したらしい。 じゃ、まずはその百選の内容を見ていただきたいんだが、全部を掲載するのはダルいので、とりあえずTOP20とい

「幻魔大戦」のワケ分からなさが愛しい

皆さんは、映画「幻魔大戦」を見たことある? 超有名作ゆえ、おそらくほとんどの人が一度ぐらいは見たことあると思う。 これはアニメ史的にも重要な位置づけの一作とされており、というのも ①記念すべき角川アニメ第1弾作品 ②大友克洋のアニメデビュー作品 ③神アニメーターたちの夢の競演的作品 という3点が大きかったと思う。 特に③については、 ・なかむらたかし ・金田伊功 ・川尻善昭 ・森本晃司 ・梅津泰臣 ・大橋学 といった豪華メンバーが揃ってて、ある程度目が肥えた我々が今見て

「ユンカースカムヒア」は、押さえておくべき不朽の名作

今回は、少し古いアニメ映画をご紹介させてもらおうと思う。 1995年制作の「ユンカースカムヒア」という作品です。 有名作品でもないんだが、でもこのタイトルに聞き覚えあるな、という人は多いんじゃないだろうか。 そう、決してマイナー作ではないのよ。 なんせ、あのサトジュンこと佐藤順一さんにとっての初の長編映画なんだから。 おまけにこれ、毎日映画コンクール95年アニメ部門賞に輝いたわけだし。 十分に名作アニメといっていいだろう。 ところがこれ、興行的には大コケしたわけですよ。

「Fate」を楽しむには、まず円卓の騎士を知るべし

今回は、「Fate/GrandOrder神聖円卓領域キャメロット」について書こうと思う。 意外と、「Fate」ファンの間でも微妙な扱いをされてる本作。 結構、面白いのに。 そもそも「GrandOrder」シリーズのアニメ化については ①特異点F<2004年冬木市> ⇒2016年「FirstOrder」アニメ化 ②第一特異点<15世紀フランス> ⇒未アニメ化 ③第二特異点<1世紀ローマ帝国> ⇒未アニメ化 ④第三特異点<16世紀カリブ海> ⇒未アニメ化 ⑤第四特異点

「クラユカバ/クラメルカガリ」近年最高の和風スチームパンク!

今回は昨年公開されたアニメ映画の中から、独特の作風として話題になった和風スチームパンク作品をご紹介しようと思う。 「クラユカバ」監督/塚原重義「クラメルカガリ」監督/塚原重義これはややマイナーな扱いかもしれんが、実は一部で大絶賛だったんだよね。 この監督の塚原重義さんという人は、元々インディーズのアニメ作家として名を馳せていた人である。 かなり独特の世界観を構築する人で、<スチームパンク+大正浪漫>とでもいったら伝わるかな? 俗にいうレトロフューチャーってやつさ。 その内容

昨年公開作品中、「ルックバック」と互角の評価だったアニメ

今回は、海外アニメ「ロボットドリームズ」について書いてみよう。 これは、昨年のアニー賞長編インディペンデント部門最優秀作品賞をとり、話題になったアニメである。 いや、それだけじゃないさ。 その賞歴を他にもざっと挙げると、以下の通り。 ・アヌシー国際アニメーション映画祭長編コントルシャン部門賞受賞 ・シッチェスカタロニア国際映画祭観客賞受賞 ・コロナド島映画祭最優秀長編アニメ映画賞受賞 ・ヨーロッパ映画賞長編アニメーション映画賞受賞 ・フォルケ賞アニメ映画賞受賞 ・トロント

アニメーションにおける<演技>とは?

今回は、アニメーションにおける「演技」について書いてみたいと思う。 演技、実写の場合だとそれは役者が担う領域であり、アニメの場合だとそれはアニメーターが担う領域。 ただ、両者は全くの同一というわけでもないんだよね。 なぜなら、アニメの場合は漫画に近い表現をする作品が数多くあり、それらは<演技>ではない<記号>で心情表現することも多々あるんだから。 <記号的心情表現>こういうのって、演技の範疇じゃないよね。 あくまで記号としての表現である。 じゃ、ちゃんと演技として成立して

「ジブリ美術館ライブラリー」系アニメは要チェック!

今回は、「三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー」所蔵アニメについて書いてみたいと思う。 ジブリ美術館は、自社制作アニメに関連したものの所蔵や展示のみならず、海外のアニメ映画の「配給」「DVD販売」を行ってることは皆さんご存じ? で、これらの作品のセレクトは、今まで主に高畑勲と宮崎駿が中心になってやってきたと聞いている。 それらの作品はどんなものかというと、こんな感じ↓↓ 「雪の女王」監督/レフ・アタマーノフ(ソ連) 「アズールとアスマール」監督/ミシェル・オスロ(フランス

「刃牙」シリーズは<ラブコメ>として楽しめる!

今回は、アニメ「バキ」について書きたいと思う。 これ、Netflix放送なんだよね。 よって、有名作でありながらも意外と見てない人は多いと思う。 ・・というか、これはいかにも「Netflix向き」コンテンツという気も。 なんせ、めっちゃマニアックな格闘技モノだから・・。 これの原作は、1991年から週刊少年チャンピオンでスタートしたという。 この初代の「グラップラー刃牙」以降、「バキ」「範馬刃牙」「刃牙道」「バキ道」「刃牙らへん」とタイトルを色々変えて今なお継続中らしい。

<ディズニーが唯一怖れた存在>フライシャー兄弟のアニメ

今回は、フライシャー兄弟のアニメについて取り上げてみたいと思う。 フライシャー兄弟って誰やねん?と思う人も多いだろうが、こういった作品を作っていた人たちである↓↓ 「ポパイ」 「ベティちゃん」 「スーパーマン」 「ベティちゃん」などは、日本でも太平洋戦争以前から既に人気があったという。 尚、ディズニーの長編映画が日本で初めて公開されたのが1950年「白雪姫」なんだが、実はフライシャー兄弟の長編はそれより公開が早く、その作品は1948年「ガリヴァー旅行記」である。

もう大人だし、トラウマ系童話アニメを見ても大丈夫

今回は、童話および児童文学というものについて考えてみたいと思う。 今でこそ漫画およびラノベといったところがアニメにおける原作のメインとなってるが、昔はもっと童話/児童文学系アニメが多かったことを、ある一定以上の年齢の方ならご存じだと思う。 それこそ「世界名作劇場」がそうだし、あと「まんが日本昔ばなし」もそうだよね。 しかし「名作劇場」は1996年をもって地上波から撤退、「日本昔ばなし」も1995年をもって放送終了。 奇しくも1995年といえば「エヴァンゲリオン」放送の年であ