
2024年読書評24 エッセー・クリスティー
「目と耳と舌の冒険」
都筑道夫 エッセー
推理小説や映画の評論だけでなく、旅などの紀行も含まれる。
目=映画、耳=落語、舌=食べ歩き紀行文
再読。40年くらい前に読んだ。当時は山藤章二と作家が組んだ本がいくつかあり、これもその1つと言える。
友達に貸したことがあるが、彼は面白かったと言っていたが、今読み返すと、面白い代物ではなかった。
映画のエッセーの部分は古いものばかりで、正直面白くなかった。ターザンなど昔流行ったようだが、私は1mmも興味がない。
そういえば他のエッセーで都筑道夫は言っていたが子供の頃は鞍馬天狗などを読んだりしたそうだが、昭和初期にはこのような「おじさん」がヒーローになっていたのだな、ということ。月光仮面の歌にも「月光仮面のおじさんは」などとあるけれど、そもそも「おじおさん」がヒーローになりうるのだろうか、と疑問に思ってしまう。中年はいいのだが、何しろジェームズボンドだって32歳くらいが設定で後の作品はもっと年をとっているだろうし。そうではなく「おじさん」という表現がダサいのだが、当時は受け入れられていたということだ。
だから彼は「半七捕り物帳」のファンになったのだろう。彼だけでなく、昭和初期くらいの作家陣で半七のファンはすごく多いようだから時代の流れだったのだろう。私は主人公が「おじさん」というので受け付けない。年の問題ではなく、年配でもかっこよければいいのだが、ただの魅力のないおじさんだと・・・、という感じである。
時代の流行りというのがあり、令和、2020年代の人々の流行りもすぐに廃れるだろう。
Z世代も老人になり、若者らに愚痴を言うようになるかも知れない。スマホをいじるものもいなくなり、ゲームもしなくなり、
「昔の人たちは何て時間の無駄をしてきたのだろう」と揶揄されるかも知れない。
そう考えると面白いではないか。
だから流行りすたりにとらわれず、自分の頭で考え、何が正しいか何が間違っているかを考え、世に流されず、ゲームで時間を無駄にせず、スマホに依存せず、生きたらいいのではないだろうか。
・・・
紀行文は面白くない。食べて感想を言うという感じでもなく、町の描写があるわけでなく、蘊蓄雑文に徹していて興味ない人には面白くないのだ。
落語の章もあまりおもしろくないので、
途中放棄。
「NかMか」
アガサクリスティー
再読。
アガサクリスティーは昔たくさん読みましたが、ことごとく面白くなかった。しかしこのトミーとタペンスシリーズだけは面白かった。
本作はその第3作目。
中年になったトミーとタペンスは政府から依頼を受ける。
田舎にあるある宿でドイツのスパイが民間人に紛れている。男女でNとM。名前も外見も分からない。それを探り出してくれというもの。その宿舎では男女10人くらいが宿泊し、日常を送っている。みんな平凡な英国人のようだが、中にはスパイがおり、それは誰か?
というもの。
訳者の深町真理子は安心して読める。ただ「おお」という感嘆の表現はどうか。日本語だったら「おお」という人はいないだろう。極めて外人的。
冒頭に「マゼンダ」という色が「1800年代にマゼンダの戦いの時に発見された色」とあるのが興味深かった。訳者の脚注だ。
小説としては退屈な部分もあるが、読みにくいという感じでなく、まあまあの出来。
ココナラ
姓名判断 2500円
タロットリーディング過去現在未来 1500円
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