疲れを取るのにダラダラは逆効果?疲労回復には中強度の「パワーヨガ」がおすすめの理由
「ヨガをやった後は体が軽い」という声を頂きます。「ヨガをやると頭の中がすっきりする。」という方も。実は人の体は中強度の運動をすることで疲労回復を図ることができるのです。
中強度の運動とは軽く汗ばむ程度の運動で、心拍数が最大心拍数の50~70%程度になる運動を指します。例えば、早歩き、自転車をゆっくり漕ぐ、軽いジョギングなどが該当します。運動中に話すことができる程度の強度です。
そして、ヨガはまさに中強度の運動。この記事では科学的な理由から中強度の運動が疲労回復にどのように役立つのかを説明し、その一例としてパワーヨガをご紹介します。
中強度運動が疲労回復を促進する理由
中強度の運動は、以下の理由から疲労回復を促進するとされています。
1. 血流の改善
中強度の運動は血液の循環を促進し、筋肉や脳に酸素や栄養を効率的に供給します。これにより、疲労物質が速やかに排出され、回復が早まります。
2. ストレスホルモンの低減
中強度の運動はストレスホルモンであるコルチゾールのレベルを低下させ、リラクゼーションを促進します。これにより、精神的な疲労感が軽減されることが確認されています。
3. 睡眠の質向上
定期的な中強度の運動は、睡眠の質を向上させることが多くの研究で示されています。質の高い睡眠は疲労回復に不可欠です。
パワーヨガのすすめ
パワーヨガは従来のヨガに比べて動きがダイナミックで、筋力トレーニングの要素も含まれるヨガの一種です。呼吸と動作を連動させることで、心身の調和を図ります。
パワーヨガの概要
【起源】
パワーヨガは1990年代にアメリカで誕生し、伝統的なアシュタンガ・ヨガを基にしています。パワーヨガの開発者は、ブライアン・ケストといった著名なヨガインストラクターです。日本では綿貫彰さんが有名です。
筆者はヨガの自主練でブライアン・ケストのパワーヨガ DVDを活用しているのですが、初心者レベルの"活力"が中強度相当と感じます。中級者レベルはヨガに慣れてないと高強度かもしれません。
【特徴】
パワーヨガはポーズを連続して行うことで有酸素運動効果を得られることが特徴です。そしてポーズの持続時間が短く、リズミカルに次々と動作をこなすため、全身を効率的に鍛えることができます。さらに、集中力を高めるため、精神的な健康にも寄与します。
【効果】
1)筋力と柔軟性の向上
パワーヨガのポーズは、全身の筋肉を使うため、筋力の強化に役立ちます。また、ポーズの持続とストレッチによって柔軟性も向上します。
2) 心肺機能の強化
パワーヨガは有酸素運動としての効果があり、心肺機能の向上に寄与します。継続的な動作と呼吸法の組み合わせにより、体全体の酸素供給が効率化されます。
3) ストレスの軽減とリラクゼーション
パワーヨガは、集中力を使いながら行うため、日常のストレスから解放される効果があります。深い呼吸と瞑想的な状態が、心身のリラクゼーションを促進します。
具体的なポーズの例としては、戦士のポーズⅡ(ヴァーラバドラーサナ)、三角のポーズ(トリコナーサナ)などがあり、これらのポーズを連続して行うことで、全身のバランスが整います。
パワーヨガは凝り固まった体をほぐし、心身の疲労を解消するのにぴったりの運動です。気軽に始められるので、ぜひ一度試してみてください。
パワーヨガを試したい方にお勧めの動画
最後に筆者が活用させていただいているパワーヨガのDVDを紹介します。
ブライアン・ケストの声掛けに従って、無心で中強度の運動が継続できます。
ただ、リズミカルに動く分、ポーズの細かな説明が少ないので、初めてヨガをやるという方には少しリスクがあるかもしれません。
ヨガを始めて間もない方は、ヨガでよくやる怪我や故障を防ぐ体の使い方を学んでから取り組みましょう。
拙著『ケガをしない ヨガ的体の使い方』では、基本的な骨盤や肩の動かし方と意識の仕方を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
最後まで読んでくれてありがとうございます!