黒

私は周りを見渡す。

そこは真っ黒だった。ただの黒。
音を全て吸収して、何もかも包み込んでしまいそうな黒。

私はこの場所が嫌いではない。
でも遠く遠くに見える微かな星のような光もいいなと、たまに思う。
だけどまだ遠いから、私はこの黒の中でうずくまっているのだ。

黒は全てを受け止めてくれる。
ちょっと重量があるのが問題だけどね。黒は重い。

黒のせいで出来ないことが増えた。
日中もその黒の重さに耐えかねて、ずっと横になってることがある。

この黒とのうまい付き合い方を模索したい。
黒は決して悪とは違う。
うまく飼い慣らせば、きっと私たちは良い相棒になれるだろう。