【UTMB Race】143km - 最終エイドLaflegere167km
Trientのエイドで座ると、たまたま日本人のツアーのテーブルでした。そこで別ツアーであることを話しましたが、笑顔で梅干し入りのそばを勧めてくれました。結局3杯いただきました。隣に座っていた日本人の方は、胃が気持ち悪いとのこと。胃薬を渡しお礼を伝え、エイドを後にしました。
エイド直後はやはり寒く、ゆっくり走りました。途中で外国人選手と一緒になり、少し話しながらしばらく並走し、2つめのpeakへ。
このピークの斜度はきつく、UTMBではなく本当に越生の山を登っているようでした。冗談のような登り。
ただ、意識も体もしっかりしていたため順調にピークまで登ることができました。右手には、きれいな夜景がみえてきました。
ただ、下りに差し掛かるとやはり、「痛み」と「眠気」の戦い。
VALLORCINE SORTIE 155kmへ
ピークからの下り。Vallocrcineへの下りは、
「現実と夢のはざまの世界」
記憶はあるものの、眠気により思考力がかなり劣っていた時間でした。
なんとか記憶を飛ばさないよう選手たちについていきました。
後から順位をみると上がっていますが、その感覚はありませんでした。時計の距離は155kmくらい。あと20km弱。長いのか短いのかその感覚も分からない感じ。ただ、足は重くなっているものの、完走はできる、その確信はこの時点でありました。胃腸の調子がとてもよく、水分・食料の補給がうまくいったこと、あとは胃腸を冷やさないための腹巻が効いたのかもしれません。
街に降り、線路や駅が見え、何度か曲がりエイドに到着しました。
「ここはどこだろう」
VALLORCINE SORTIE 155km
エイドについたときは、そこがどのエイドかもわからないくらい判断力は低下していました。ここは最終エイド?、到着はAM5:50。徐々に意識がはっきりし、ここはラストから2つ目のエイドということ、また、思ったより時間が経過していることを知りました。
残りは17km。ゆっくりしている時間はない。すぐにエイドをでました。
タイムは気にしないと思っていたものの、40時間は切れると思っていたため残り19km、4時間弱。厳しくなっていることを知りました。
「ここで、何か自分にスイッチが入りました。」
「40時間は切りたい,!!」
エイドを出てすぐに走り始めました。
眠気もあり、まだ薄明りだったためロストをしないよう慎重に進みました。
平坦な林道を過ぎ、明るくなってきました。
道路に入り、応援もいただきました。
「走ればたくさんの選手を抜ける!平坦と登りは、まだまだ足は動く」
「楽しい!!」
時間に追われていましたがとても楽しい時間でした。
モンブランも近づいてきていることがわかります。
途中、いい勢いで登っている日本人の方に追いつき、
「一緒に40時間切り目指しませんか」と伝えたところ、
「もう厳しい、わたしは諦めます」との回答。
「40時間切りをトライしてみます」と伝え、お互いの健闘を称え、先行しました。まだ平坦も緩斜面の登りも走れる。
ここにきて、何か体がリセットされたような、力が内側からでてきました。
そして、登りきったところでリフトがみえてきました。
「まだ遠い、、、」
ただ、最後の登り、力を振り絞りスピードを上げました。
Vallocineを出てから2時間半で、66人抜き、8:29に到着することができました。このレース会心の区間でした。
下りは足の痛みは不安なものの、1時間半で7kmなら十分いけるはず。
そして、目の前にそびえる真っ白なモンブランが迎えてくれました。
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