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Geminiでケアプランを

令和6年8月31日

皆さんお元気ですか?
台風はいかがですか?

台風が来ている中、
僕たち地域包括支援センターの職員は仲良くAIについて勉強をしていました。
みんなニッコニコです。

AIってなんだか最近耳にするんだけど、
正直なんだかわからなくて怖い。

そんな職員の皆様のためにAIへのハードルを下げる体験共有をしました。

そんな職場内AI体験会の備忘録です。




AIでできることって?

あだちさんという方がいまして。
SUNABACOというところのAI人材育成講座を受講されてですね。

お仕事が忙しい中、講座に時間を割いて学んでくれたんですよ。
しかもその受講をまとめた備忘録を作ってくれたんですよ…!!!

というわけで、
さめざめはあだちさんのnoteに課金しまして。
あだちさんが得たAI知識を横流ししていただきながら学んでいます。

課金したのはこちらの記事です。

他人の学びを横流しして2次情報を受け取る。
さめざめはコバンザメだったようです。


さて、
こちらの記事を参考に、
AI活用について説明しました。

正直、これらをまとめて3分で説明しろったって難しいです。
それくらいの膨大な記事となっています。
みんな読んで。

まったくAIについて知らない僕の職場の職員たちに説明するとしたら
「人間ができることをうまく作ってくれるものだよ」
と。

いや、
安易だな。
そこに至るための膨大な知識があるのに、それを蔑ろにした表現だな。

ただ、
僕の職場の職員はWindows11になったタイミングで慌てふためいて。
スマホを変えた時は周囲にスマホの使い方を聞き続ける。
そんなリテラシーです。

そんな人には超簡単に「へー、そういうもんなんだ」と思ってもらえればいいです。

Geminiって?

今回紹介するAIはGoogleが作った「Gemini」です。

とりあえず、
「今のところ、ちょっと使うだけなら無料で使えるAIだよ」
と伝えています。

検索したら出てくるよ。
Geminiって入力してみてよ。
なんか入力するところが出てきたよね、入力してみようか。

そこまで動かせました。
ここに来るまで7分。
集中力を途切れさせてはいけません。

まずは触ってもらいましょう。


地域包括支援センターで時間が割かれるのは「ケアプラン作成」

さて、話は変わりますが、

地域包括支援センターというのは地域の高齢者の総合相談窓口として、地域高齢者関連のワンストップ窓口業務を行っています。

その中には介護保険関連の話が多く、
地域包括支援センターでは介護保険認定の要支援者・総合事業該当者を対象に介護保険サービスを利用するためのケアプラン作成を行っています。

で、
このケアプラン作成というのが時間がかかりましてね。

「本人の身体・精神状況、既往歴、生活歴、家族歴、とかとか。
 さまざまな要因を記載して、サービス利用の根拠になるような計画書」
というのがケアプランになります。

要介護対象のケアプラン記載についての記事ですが、正直、これを作り続けるというのは大変です。

なので、
これを作る時に参考になるようなケアプランサンプルをGeminiに考えてもらいましょう。

ケアプランのサンプルをGeminiに作ってもらおう!

糖尿病、脊柱管狭窄症があり、80歳独居男性。生活保護受給。
こんな人のケアプランについてGeminiに考えていただきましょう。

質問として入力したプロンプトは下記になります。

糖尿病、脊柱管狭窄症があり、80歳独居男性。生活保護受給。
こちらの条件で介護保険のケアプランを作ってください。

必要要素は
1、状況アセスメント
1-1運動分野
1-2社会課題
1-3家族状況、家庭環境
1-4医療分野

2、課題整理
2-1本人課題
2-2周囲環境の課題
2-3想定されるリスク
2-4短期目標
2-5長期目標

3、サービス立案
3-1課題整理
3-2サービス利用におけるセルフケア
3-3サービス案

上記の項目にまとめてサンプルとなるケアプランを作成してください

Geminiに投げた質問

これを入力しますと、
下記のような回答が1分弱で出てきます。

80歳独居男性、糖尿病、脊柱管狭窄症、生活保護受給の方のケアプランサンプル

1. 状況アセスメント
1-1. 運動分野歩行: 脊柱管狭窄症の影響で歩行距離が短く、痛みを伴う。
立ち上がり・座り: 痛みのため動作がゆっくりで、転倒の恐れがある。
バランス: 姿勢が不安定で、立ちくらみが起こりやすい。
1-2. 社会課題孤独: 家族との同居はなく、友人との交流も少ない。
経済: 生活保護を受給しており、経済的な余裕がない。
情報収集: 最新の医療情報や福祉サービスに関する情報を得にくい。
1-3. 家族状況、家庭環境独居: 配偶者や子供など、同居家族はいない。
住環境: バリアフリー化が不十分な住宅に住んでいる。
1-4. 医療分野糖尿病: 血糖コントロールが不安定で、合併症の進行が懸念される。
脊柱管狭窄症: 薬物療法や物理療法を受けているが、症状の改善が見られない。
その他: 高血圧、高脂血症などの合併症がある可能性がある。


2. 課題整理
2-1. 本人課題身体機能の低下: 歩行困難、立ち上がり困難、バランス不良
疼痛: 脊柱管狭窄症による腰痛
孤独感: 社会とのつながりが希薄
経済的な不安: 生活費の不足
2-2. 周囲環境の課題住環境: バリアフリー化が不十分
情報不足: 医療・福祉サービスに関する情報が少ない
2-3. 想定されるリスク転倒: バランス不良や痛みによる転倒
褥瘡: 長時間同じ体勢でいることによる褥瘡
肺炎: 身体活動量の低下による肺炎
孤独死: 社会とのつながりが希薄な状態が続くことによる孤独死
2-4. 短期目標痛み軽減: 薬物療法、物理療法の継続、疼痛緩和のための運動指導
歩行能力の維持・向上: 低負荷の運動療法の実施
社会参加の促進: デイサービスへの参加、ボランティア活動への誘導
2-5. 長期目標自立した生活の維持: できる限り自分の力で生活できるように支援
QOLの向上: 身体的、精神的な苦痛を軽減し、生活の質を向上
社会とのつながりの強化: 地域活動への参加を促し、孤立を防ぐ


3. サービス立案
3-1. 課題整理に基づいたサービス案訪問介護: 食事、排泄、着替えなどの身体介護、家事援助、通院支援
訪問看護: 血糖測定、創傷処置、褥瘡予防、服薬管理、健康状態の観察
デイサービス: 入浴、食事、レクリエーション、機能訓練などを通じた社会参加の促進
居宅療養支援診療所: 医師による定期的な訪問診療、健康相談
福祉用具貸与: 車椅子、歩行器、ベッドなど、生活を円滑にするための福祉用具の貸与
3-2. サービス利用におけるセルフケア血糖コントロール: 自己血糖測定、食事療法、運動療法の継続
疼痛管理: 服薬、運動療法、温冷療法
転倒予防: 室内環境の整備、滑り止め対策、手すりの設置
口腔ケア: 口腔内の清潔を保つ
3-3. サービス案の具体化週3回の訪問介護: 食事、排泄、着替えの介助、家事援助
月2回の訪問看護: 血糖測定、健康状態の観察、褥瘡予防のための指導
週2回のデイサービス: 入浴、食事、レクリエーション、機能訓練
月1回の居宅療養支援診療所: 医師による訪問診療
福祉用具貸与: 車椅子、歩行器の貸与


上記はあくまで一例です。 実際のケアプラン作成においては、利用者の状況やニーズに合わせて、より具体的なサービス内容を検討していく必要があります。

ケアプラン作成のポイント本人の意思を尊重する: ケアプランの内容について、本人と十分に話し合い、合意を得ることが重要です。
多職種連携: 医師、看護師、ケアマネジャー、理学療法士など、様々な専門職と連携し、包括的な支援を行います。
定期的な見直し: 利用者の状態は常に変化するため、定期的にケアプランを見直し、必要に応じて修正します。


ご不明な点があれば、お気軽にご質問ください。

追加で必要な情報現在の健康状態: 血糖値、血圧、コレステロール値など
服薬状況: 現在服用している薬の種類と量
生活習慣: 食事、運動、睡眠など
住居の状況: 間取り、バリアフリーの状況
経済状況: 生活保護費以外の収入源


これらの情報を基に、より詳細なケアプランを作成することができます。

Geminiからの回答

ほう…
なかなか要点が取れていますね。

ただ、
正直、もっと書き込まなければいけないものあります。
定型パターンとして入力するにしても、言葉が足りません。
また、
これは利用者本人に見てもらうものになるため、より本人に分かりやすいように文章を作り直さなければいけません。
もっとアセスメントは深いはずですし、本人らしい部分というのを記載していく必要があります。

こんなAIが出した定型文に人間の生活は固定されません。

それでも、
「この病態、状況のケースに対する記載項目の立案」というケアプラン作成の最初のハードルが下がります。
それだけでかなり楽になります。

症状別看護課程という本があります。
これは、
1つの症状に対して考えつく支援方針がまとめられているものになります。
これも同様なシステムだと思います。

Geminiで出てきたケアプランサンプルは
「この病気、この状態なら、こういうことが考えられるんじゃない?」
というアドバイスになります。

最終的には自分で対象者を見て、対象者なりの生活についてアセスメントしていく必要があります。
そのアセスメントの一助になればと考えています。


もちろん、
AIに入力してはいけないことがあります。
個人情報です。

本人の氏名や住所や生年月日なんてもってのほかです。
地域特定ができるもの避けましょう。

あくまでも、
「ケアプランのサンプルを作成する」ということが目的になります。

「本物のケアプランを作る」はできません。
そこはご了承ください。

なので、
最終的には人間がやるべき仕事になってきます。
人間にしかできない対話やアセスメントや判断というところを大事にしていきたいものです。





っていう短時間講義を行いました。
これを活用するにはまだハードルが高そうですが、
AIに触れるというのはお試しできました。

何事もやってみるというのが大切です。
わからないことをわからないままにしていくと遅れてしまいます。
社会はどんどん進むのに介護の分野が遅れてしまいます。

少しずつ進めていきましょう。

一緒にやっていきましょう。

そうしましょう。



新しいものに繋がるというのはいつもリスキーなものです。
身体的にも心理的にも大きなハードルがあります。

1個ずつ超えていきましょう。

新しい世界に飛び込んでいきましょう。

そういう曲です。

東京事変「新しい文明開化」


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