2024年は「糸」の年でした。
みなさまはどんな2024年を過ごされたでしょうか。
わたし自身は「糸」という言葉が浮かんできました。
2023年末から予定外のできごとが続いていたのですが、結果として、過去から現在までの自分の営みがつながり、たくさんの方々とのご縁もつながる良い結果となりました。
2024年を少しふりかえってみたいと思います。
・文芸同人誌3誌に参加(2誌は初参加)
大阪拠点で長くお世話になっている「ignea(11号)」ほか、
今年はnote発の「夢幻(創刊号)」、きらめく書き手揃いの「星座盤(18号)」に初参加させていただきました。
それぞれに反響があり、なかでも「ignea(11号)」所収の「掌編小説集 ゆれあうからだ」ば文學界に転載いただけたことで多くの方にお届けできました。
・読書会に参加
文芸活動のつながりで、隔月の読書会に参加しています。今年も皆勤!
良い本をたくさん教えていただけました。
『母の発達』笙野頼子著
『方形の円 (偽説・都市生成論)』ギョルゲ・ササルマン著/住谷 春也訳
『ビトナ ソウルの空の下で』ル・クレジオ著/中地義和訳
『大きな鳥にさらわれないよう』川上弘美著
なお、わたしからの推薦作は『九月と七月の姉妹』デイジー・ジョンソン著/市田泉訳でした。
年子の姉妹の物語。この世にふたりぼっち、と胸を締め付けられます。共依存、ホラーという要素も。主な舞台は、イギリスの海辺のまるで生きているような家。詩のような美しい世界と、あっと驚く手品のような構成にうなりました。
また、ゲスト参加させていただいた別の会でも、
『続きと始まり』柴崎友香著 に出会ったことで、創作との向き合い方が変わる予感がありました。
・翻訳勉強会に参加
海外の面白いを小説を原書で読めるようになったらいいなあと翻訳勉強会に参加しています。こちらも季節ごとに1回、皆勤賞です。
原書の面白さを損なうことなく読み手に届けるというのは、至難のわざなのですね。翻訳家の方々には敬意と感謝しかありません。
いま課題で読み進めているのがコメディアンの方の著作ということもあり、笑い(面白さ)のツボは「文化」によって違うことをあらためて感じます。逆に日本の作品の紹介も難しいでしょうね……。
・Audibleの導入
知人のすすめでAudibleを導入。
『挑発する少女小説』斎藤美奈子著、『センスの哲学』千葉雅也著、などを楽しみました。
日本の小説は文字(漢字のイメージ、かなのひらき)も視覚的に楽しんできましたが、音もいいなと。たとえば『板上に咲く』は棟方志功をとりあげた原田マハ作品。俳優・渡辺えりの語る東北のことばにぬくもりがあり、作品の魅力を高めている気がしました。
また、日本の小説がどのように翻訳されているのかも知りたく、川上弘美『三度目の恋』からの『The Third Love』や、村田紗耶香『地球星人』からの翻訳『Earthlings』などを耳学習しました。
色々といい時代になりましたね^^
・日記(朝/晩)の継続
日記を毎日、朝晩つづけることで前向きに一年を過ごすことができました。
朝は、心のなかにひっかかっていることや、小説のアイディアなどを書き出しています。
夜は、一日のふりかえりを。良かったことに焦点を当てたり、本や映画、美術展の感想をひとこと残したり(これをnoteにいかしたらいいのですね)。
どんなに忙しくても、自分自身と向き合う時間は必ず確保したいものです。
反省点としては、得られた学びや気づきをnoteに還元できなかったことでしょうか。来年こそは!
実は年内の投稿も諦めていたのですが、今回奮い立つことができたのは、やはりつながりの力。
文芸仲間、早高叶さまの影響です。
早高さまは文芸同人誌「カム」で活躍されるとともに、ご自身でもアンソロジーを発行されているので、文学フリマでお会いになった方もいらっしゃるかもしれません。
幻想的でしっとりと美しい(ときにこわい)作品はいつまでも余韻にひたっていたくなるものばかり。「こんな作品世界をつくりだせたら……」と憧れてしまいます。
noteでは日々の文芸活動や書評について投稿されているので、魅力的な作品世界のひみつがわかるかしら?とドキドキしながら拝読しています。発信力もお手本にしたい!
2024年、緊張の糸や自意識の糸で自身を縛ってしまう面もありましたが、
ご縁のあったみなさまのおかげで、ふりかえってみると素敵な織物ができていたようです。
本当にありがとうございました。
2025年もみなさまにとって素晴らしいものになりますように。
今後ともよろしくお願いいたします。