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OM-1とおばあちゃんち

 先日、母方の祖母のうちへ行った時にOM-1で撮った写真が現像から帰ってきました。現像に出す時に「年末なので現像まで2週間かかりますけどいいですか?」って言われたけど、なんだったの。

 というわけで特に語るでもなく写真をばーっと貼り付けたいと思います。

田んぼが広がるただ果てしない道をゆく
まっすぐ、まっすぐ
ストーブとやかん
生活の証
暮らしの断片
縁側に光
奥の方から話し声
四方に散らかる葉、生命力
庭で採れた立派な野菜
陰影
バケツの居場所
お邪魔します、久しぶりだね
まっすぐ、まっすぐ、まっすぐ
昔ここで凧輪を上げた
気だるげで無垢な光
光の海
うらがわ
賑やかなのに静か
思い出の1ページ
求めず、ただ綴る
間に合わないお別れのシャッター

 他にも笑顔の祖母の写真や、食卓を囲む家族の写真など、思い出に残る写真が撮れました。この一綴りのネガはいつか必ず大事に見返す時が来ると、そう思います。

 美しいと思った瞬間や、そう感じた心をメモする感覚でシャッターを切るデジタルとは違い、フィルムは36ページの物語を書き綴るような気持ちでファインダーを覗きます。

 だからいつも最初の一枚はなかなか踏み出せない。今回の記念すべき最初の一枚はカーナビ(というかGoogleマップ)を写したもの。広大な緑一色のマップの中のぽつんと小さな青い矢印が、久しぶりに祖母の家へ向かう私の陽だけではない複雑な感情をよく表している気がしたから。

 今見返しても、最初の写真はこれで正解だったなと思います。最初がこの可能性のある一枚だから、次の畑の中の直線の道も、おばあちゃんの笑顔の写真(ここでは載せていません)も、より深い意味を帯びてきます。

 フイルムだとやっぱり一枚一枚にちゃんと思いが乗ります。後から見返しても、それを撮った時の記憶との距離がデジタルよりも近い。写真を見ればすぐに、ファインダーの手前にいたあの時の私が今の私に重なります。

 祖母の家へ行くのは久しぶりだしなかなかない貴重な機会だから、フイルムだけを持って行くのは失敗する不安もあったけれど、今はその選択をして本当に良かったと思っています。

 やっぱりフイルムは楽しいですね。フイルム代の高騰で気軽には撮れなくなってしまったけれど、またここぞという時にはよろしくね、OM-1ちゃん。

 次はきっと、娘が生まれた時かしら。

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