【さんぽカメラ⑥】 ただいま、ちょっと変わったね 【川越】
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*2ヶ月近く前の記事になります
2024.9.12
9月に入ったのにまだまだ暑い日が照りつける中、電車に乗り込んで降り立った駅は川越。私が学生時代を過ごした街です。
今回は私の思い出の街をカメラ片手にふらふら散歩します。
川越駅〜川越八幡宮
電車を降りて懐かしい蔵造り風のホームに降りた時、まず感じたのは安堵でした。家に帰って来たような安心感。ただいま。
約10年ぶりとはいえ、学生時代はずっとここで過ごして来たんですもの。久しぶりに友人に会うみたいな緊張感はまったくありません。ここはかつて私の家があった街。ここが私のアナザースカイ。
東口から出てアトレじゃないアトレの中を通り抜けます。このアトレというビルはよくあるJRの駅ビルアトレは無関係なのです。ややこしや。
その先にはクレアモールという商店街があります。川越で買い物をするとなるとこの通りをウロウロすることになります。観光のメインになる蔵造りの街並みへ行くにもここを通ることになります。
今回は途中で右に折れて川越八幡宮へ行きます。
川越八幡宮
川越八幡宮はあいにく工事中でした。ここにはとても趣ある参道があって、特に夜は灯篭に灯る灯りが素敵なのです。
懐かしい鳥居に頭を下げます。手水舎に花が浮かんでいて綺麗。
そして、境内に入ってびっくり。なんか知らんものがいっぱいあります。地方にある謎のテーマパークみたいな。観光客を意識しすぎてません?頭の中で熱海の秘宝館がチラつきました。川越八幡宮さん、この方向性で合ってますかー?
思い出の中の趣深く荘重な川越八幡宮のイメージを覆され、度肝を抜かれてしばらくフリーズしていましたが、時計を見てそろそろお昼にしようと歩き始めます。
目指すはカフェマチルダ。昔よく訪れた、アメリカンな薄いパンケーキが食べられるお店です。クレアモールに戻ってまっすぐ歩けば到着です。
Google mapsを開いててくてく歩き始めたところで、おや?マップの右の方に何やら「♡」があります。どうやらいつかの私がお気に入り登録した場所があるようです。いったいなんだったかしら……?
私は方向転換をして、その「♡」を目的地に歩き始めました。
イングリッシュブルーベル
「♡」の場所にあったのは昔一度訪れたことのある絵本カフェ「イングリッシュブルーベル」でした。
私はここで美味しい食事を済ませた後、思いつきでこれから生まれてくる娘のために、一冊絵本を買うことになります。詳細は別の記事にしていますので、読んでいただけたら嬉しいです。
仙波東照宮 随身門
カフェを出て喜多院を目指すことにしました。その途中にものすごく雰囲気がある朱色の門があったので吸い込まれるように中へ。
そのまま通り抜けて喜多院へ。
喜多院
喜多院はよく桜を見に来ました。いつも人で賑わっているイメージがありましたが、この日は人はまばらで落ち着いた雰囲気。
さて、喜多院を出たら一旦メイン通りの方へ戻ります。
大正浪漫通り
川越 熊野神社
おまえもかーい!また変な方向に進化してる!この神社は足ツボが有名でよくメディアに取り上げられるけれど、それだけで良かったじゃん!よくばりすぎ!ジャンボ八咫烏様って何?かわいすぎかよ。
熊野神社〜時の鐘
熊野神社の進化にも衝撃を受けつつ時の鐘を目指します。
蓮馨寺
蓮馨寺〜蔵造りの街並み
知らないお店がたくさん増えました。少し寂しくも感じますが、この街の以前の姿を知っているということを少し自慢に思います。
時の鐘
川越のシンボル、時の鐘。思ったより小さくてガッカリするかもしれません。でも、札幌の時計台には負けてませんよ。
時の鐘〜菓子屋横丁
mame蔵
この辺りはよく妻と散歩しました。その時一休みするのによく立ち寄ったのがこのお店。コーヒーフロートをよく頼みました。懐かしい。
mame蔵〜菓子屋横丁
菓子屋横丁
菓子屋横丁は数年前火事にあったと聞いて心配していたのだけどれど、人で賑わっていて安心しました。とにかく外国人の方が多いです。
横丁の奥の方の景色はすっかり変わってしまって、新しいお店が多く見られました。この辺りは火事で全焼してしまったのでしょう。寂しいですね。
見慣れないお店で年配の女性がからみ餅を宣伝していて、美味しそうだったので中に入って食べてみました。ちゃんと手で突いてるお餅の食感と大根おろしの辛さが美味しい。
このお店の目の前には妻が大好きな「たこせん」という、たこ焼きをえびせんで挟んだお菓子を売っているお店があったのですが、見当たりません。
ついでにその店員さんに聞いてみると「わからない」とのこと。「私最近来たばかりの新人なのよー!」って、てっきりこの土地何十年のベテランさんかと思いました。
どこ行ったの、たこせん。
稲荷小道〜本丸御殿
稲荷小道
菓子屋横丁からメイン通りを挟んでちょうど向かいにあるこの小道。好きなんですよね。
小道を抜けるとレトロな映画館、スカラ座が。いつか入ってみたいけれど、映画を観にわざわざ川越まで来ないかな。
富士見櫓跡
ふと目についた木々の影へと続く階段。こういうところ、吸い込まれてしまいますよね。
かつて川越城の富士見櫓があった場所からの眺めは格別……というほどでもない?
それよりも気になったのが民家の脇のさらに奥へと続く道。屋根の朱色、ヒャクニチソウ?の黄色、朝顔の青。吊り下げられた和風の飾り。その奥にある鳥居と西陽を受ける石碑。舞い踊る蝶。
誰かの夢に迷い込んだ様な鮮やかさと静けさを合わせ持った幻想的な景色に、私の足はどんどん奥へと進みます。
冨士見稲荷神社
この後に行く氷川神社のような有名どころもいいけれど、こういう名も知れぬ神社が偶然見つかるとワクワクします。
なんかポケモン金銀のウバメの森を思い出しました。静かで何もない場所なんだけれど、不自然な空間と祠がある。そんな感じ。特別なアイテムでも持っていたら何か起きたかしら。
三芳野神社
さて、先ほどの神社から少し歩けばあっという間に三芳野神社です。そういえば手前に公園があったっけ。懐かしい。
境内には長い参道があります。「とーりゃんせーとーりゃんせー」で歌われているのはこの参道だと言われているそうです。学生時代は曲を聴きながら境内を散歩していました。
都節音階でしたっけ?律音階でしたっけ?「他にもねーんねーんー、ころーりーよー…」とか、好きなんですよね、このちょっと妖しいかんじ。
川越城本丸御殿
今回は中へは入らず外観だけ。逆光!あと、ちょうちょのカップルがランデブーしてました。ふわふわひらひらと、青空はふたりの世界。
川越氷川神社
本丸御殿を過ぎしばらく歩くと新河岸川に突き当たります。川沿いを西へ歩けば川越氷川神社の裏門へ到着です。ちなみにこの辺りは桜がとても綺麗です。今はコスモスが咲いていました。
境内には木々の合間から西陽が落ちていて、それがとても美しいです。
一角には多種多様なお社が一堂に会しているエリアがあります。稲荷神社から秩父で有名な三峯神社、足腰に御利益がある子ノ権現社にはたくさんの靴や草履がかけられています。まるで神様のデパート。
裏門からぐるっと回ってようやく本殿の方へ。平日なので人は少なく、ほとんどが大きな荷物を持った外国の方です。
入り口には大きな大きな鳥居があるのですが、その前方にはたくさんの風車が飾られていました。
せっかくなので、安産祈願のお守りを買って絵馬を書きます。娘が無事に生まれてきますように。
夕暮れの川越
日も暮れてきたので写真を撮りながら足早に本川越駅前へ戻ります。この後毛呂山駅まで行ってホテルへチェックインしなければならないのですが、その前に一箇所行きたいお店があるのです。
夕暮れの川越、とても趣がありますね。川越はお店が閉まるのが早いので、この時間から観光客がいなくなります。住んでいた頃は、この日が暮れた後のどこか寂しい川越を散歩するのが好きでした。
一指禅
最後は学生時代よく訪れていたラーメン屋さんへ。店員さんの顔ぶれも変わってしまい、500円だった学生ラーメンは680円に値上がりしていて時の流れを感じます。
コクの深い豚骨に高菜をどっさり乗っけて食べるラーメンはやっぱり美味しかった。ごちそうさまでした。
ふくれたお腹をさすりながら夕焼けの街を眺めます。お店を出て交差点を渡れば、今回の旅の終着点、本川越駅へ到着です。
まとめ
2024.11.9
半袖を着て真夏のような日差しに目を細めつつ、ダラダラ汗を流して歩いた川越。今はもうダウンジャケットを羽織って、自販機で買ったお汁粉をズズズと啜りながらこれを書いています。
思い出がたくさん詰まった川越。良くも悪くもちょっと変わってしまいましたが、私の第二の故郷であることに間違いはありません。
この翌日、私は毛呂山で滝行をしますが、それ含めて記憶に残る旅になりました。今度は娘を連れて妻と一緒に来たいと思います。
それではまた。
Camera:FUJIFILM X-Pro3
Lens:Voigtlander NOKTON 35mm F1.2