エベレスト級自己肯定感
筋肉ムキムキの人間がとても好きだ。
つい2年前くらいまでは全然そんなことはなかった、むしろガリガリが好きなくらいだった気がする。
ジョジョの奇妙な冒険にハマって2部のワムウの虜になって以来見た目の嗜好は真逆に行ってしまったと思う。
正確にいえば「筋肉をムキムキにできる人のメンタル」に魅力を感じている。
ムキムキな人間でナヨナヨしている人を見たことがない、ムキムキとナヨナヨは常に対極にいる気がする。
私はどちらかといえば、というより断然ナヨナヨ派で、考え込んだりすることがめちゃくちゃ多い、多かった。
「筋トレすると悩み事がなくなる」という通説は割と本当だと思っていて、ジムに行く習慣がついてから面倒ごと(今考えても解決しないこと)をぐだぐだ考え続ける事は減った。ダンベルトレーニングしてそのあと走ってたら正直考える暇がない。というか考えるのが怠い。今それどころじゃないんだよ、と脳みそがいつも言う。
でも週3程度の筋トレじゃ目に見えてムキムキになるにはまぁ程遠いので元々ある微弱な筋肉に毛が生えた程度だが。
でも元々赤ちゃんの時からムキムキでしたなんて人間は一人もいないはずで、学生時代運動部だったり、運動習慣が元々ある人だったり、クロスバイクで通勤していたり、動的な仕事だったり、そういう運動に抵抗がない人や、メンヘラタイプが一念発起してムキムキに変貌を遂げたり、体型を理由に振られたりして見返そうとして美ボディになったり、フィジカルに対して前向きなメンタルが出来上がった人がムキムキを手に入れているんだろう。
その、そのフィジカルに前向きなメンタル、そこに痺れる憧れる状態である。
1日2日頑張ればなれるものじゃない、色々頑張って(私の知識だと細かいことを言っても間違ってそうなので割愛)ああなってるわけで、それは並大抵の努力じゃ無理な話だ。
ちなみに私の言うムキムキは細マッチョじゃなくて完全なムキムキ、なかやまきんに君レベルのムキムキ。
私はまぁ自他共に認める自己肯定感激低人間である。
Instagramで見かける白い歯を見せてニカッと笑いながら上腕二頭筋を見せ付ける全世界のマッチョがエベレスト級の自己肯定感を持っているとしたら私はマリアナ海溝レベルに低い自己肯定感しかない。
エベレスト達は人格構成の時期に富士山レベルの自己肯定感をつくりあげ、そこから世界レベルに成長しているはずだが、私はそもそも海抜0メートルレベルの自己肯定感しかない上にどんどん深くなっていってしまった。
恐らく少年期から青年期の過ごし方を並べると大きな差があるだろう。
人間の本能として良いDNAを求めて強い人間や頭のいい人間を見ると魅力的に感じるようにできているはずなので、私も例外でなく「いいな」と思うのだが、エベレストに対抗出来る素質なんて持ち合わせていない。
エベレストと対峙できるのは同じ8000m級の自己肯定感を持っている猛者だけなのだ。
マリアナ海溝の周りにはマリアナ海溝が多いし、良くても海抜0mあたりが関の山だろう。海抜0mでも10000mほどの差があるのに、エベレストまでいくとほぼ20000mの差がある。無理に決まってる。
いや、ムキムキと結婚したいとか、子供が欲しいとか、そんな直接的な事は考えていないが、憧れはある。
それほどのメンタルを持てたら見る世界変わるだろうなと。そういう羨望がある。
こちとら深海だぞ。世界の登山家が憧れる地球で最も空に近い場所と相まみえるわけがない。
いや、深海も世界のダイバーが憧れる場所かもしれないが…。
せめて海抜0mくらいまでは持って行きたい。
エベレストまで行ってしまうと私も公開のSNSアカウントにニコニコしながらムキムキの身体を載せそうなのでそこはちょっとセーブしたい、が、人生の目標とし6000mのキリマンジャロくらいは目指したい。
早朝にこんなことをつらつらと書いているのも、昨日ジムに行きたかったので大雨で行けず身体を動かしたい欲求にモヤモヤしてひたすら登山について調べていたからである。安直。
Twitterでエベレスト登頂を達成した登山家が指の凍傷で現地の病院で療養しているツイートを見かけた。なかなな厳しそうだった。そう、自己肯定感のレベルに例えてしまったがエベレストは死者すら出る山なのだ。
エベレスト級の自己肯定感を苦労なしで手に入れられる人間はきっと少ないのだ。
やっぱり自己肯定感もそれくらい手に入れるのは難しい。まだもう少し生きていられそうな気配なので気長にキリマンジャロまで目指そうと思う。
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