ライオンのたてがみ
■2024年(両親81歳)
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14:00 K病院へ母の面会に行く。
母の病室を覗くと、ベッドの背もたれが直角になっていて、体を起こしていた。
細い両足を伸ばし、足を組もうとしているような姿勢。
前回よりは少し大きく目を開いているが、ボーっとしている。
何度も声をかけていると、ふと「尚ちゃん」と認識してくれる瞬間あり。
細い腕が伸びてきて、わたしの髪の毛を撫でてくれる。
しっかりとわたしの手を握ってくれる。
会話も少し通じる。
長らく洗髪していないため、髪の毛が固まってライオンのたてがみのようにパーッと逆立っている。
母「…すぐ入ろ。少ないからね。すぐ入る。」
お風呂に入りたいのだろうか?
すっかり固まってしまった髪を、自ら手櫛で整える仕草をする。
パリパリになってしまっている髪の毛に違和感を感じているのだろう。