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「うちにも同じ尚子がいるんですけど」

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単身で訪問 10:30頃 続き(4)

しばらくして目をつむるも、また目を開き、体をモゾモゾと動かす。
ベッドの手すりにつかまろうとする仕草あり。
覚醒時間に入っているようだ。

私の手を差し出すと、ぎゅっと両手で握ってくれる。

尚子「お母さんの手、あったかい!」

母 「いいじゃない。特に用はないんだよ。」

尚子「どっか行きたい? どっか行こうか!」

母 「どれくらい? 何時間も? まだ44(よんよん)、44くらい。どうでしょう?」

尚子「じゃあ44くらい、行ってみる?」

母 「なんかあったかな… あなた、名前なんていうんですか?」

尚子「尚子です。」

母 「うちにも同じ尚子がいるんですけど。」

尚子「その尚子です。」

母 「尚子って書ける?

尚子「和尚の尚」

母 「和尚の尚子… うぅん。そうだねぇ。じゃ、一緒に行きますか?」

尚子「うん!」

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