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残像

■2024年(両親81歳) 

1/13 続き

15:30 父に会いに行った後、別荘へ。

年始早々に発生した集団食中毒のノロウィルス対策も落ち着き、この日から別荘では通常営業とのこと。

母は宿泊室のベッドにいた。

笑顔も見られ、ほっとする。

1/15の「旅立ちの会」(やはりどうも「お別れの会」との響きにピンと来ず、改名した)で飾る写真を物色しようと2Fの居室に立ち寄ると、父のベッドは早々に布団一式が片付けられていて、裸のマットレスが露になっていた。

その横には父が使っていた車いすがポツンと置かれていた。 

車いすに腰掛けている父の残像が過る。

不在感極まりない。

ぽっかり穴が空いたよう。

1Fに戻ると、ちょうど姉たちが母と一緒に食堂から歩いてくるところだった。

久しぶりに歩く母の姿を見て安堵する。

歩く母の周りを娘たちがキャッキャと走り回る。

二女は、父の愛用していたヨレヨレのキャップを被っている。

二女、母と握手する。

母もとても嬉しそうに笑う。

尚子「お母さん、明日誕生日だよ。81歳。」

母 「うん。あなたの誕生日?」

尚子「お母さんの!」

ついに父のいない母の誕生日を迎えることになるとは。

皆で写真を撮ってから帰る。

1/15旅立ちの会で飾る父の写真やアルバムをたくさん用意しようと思う。



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