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口を開けようとしない

■2024年(両親81歳) 

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単身で訪問 11:30頃

エントランスの窓越しに、大きなエプロンをつけた母の姿が目に入る。

食堂のテーブルに座って起きていた!

急いで母の元へ駆け込む。

「お母さーん! 起きてたのね! 良かった!!」

ちょうどこれからお昼というところで、お茶のカップが母の前に置かれていた。

母は無表情のまま、のっそりとカップに手を伸ばして自ら口元へ運ぶ。

「飲めてるね! あー良かった! 美味しい?」

反応なし。

よく見ると、カップの中のお茶にもとろみがついている。

スタッフさんが皆さんのお昼を配膳していて、母にも運ばれてくる。

おかゆ、おかずと思われるムース食1種類、そして例の栄養ドリンクがカップに入っている。

母の横に丸椅子をさっと持ってきて座り、おかゆをスプーンに乗っけて母の口元に当ててみる。

しかし、一向に口を開けようとしない。

「お母さん、ご飯だよ。食べない?」

お腹が空いていないのだろうか?


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