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母の救急車

■2023年(両親81歳)

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母、エントランスで転倒 続き(1)

とりあえず旦那さんに電話する。

「美容院なんていつでも行けるんだから、早く(別荘に)行ってあげな!」

と言われ、目が覚める思いがする。

そうだ、こんなところで茫然としている暇はない、すぐに駆け付けなくちゃと

スイッチが入る。

これからしばらくの子守をお願いし、電話を切ろうとした瞬間、背後からサイレン音が近づいてきた。

そしてその音は最大音でわたしの横を通り抜けていった。

「あ! これ絶対母さんの救急車だ!!」

別荘が呼んだ救急車が、今まさに母の元に向かって横切っていくところだった。

わたしも急いで向かわねば。

救急車を追いかける気持ちで駆け出す。

この道をまっすぐ進んで行けば着くには着くのだが、まだまだ距離がある。

と、後ろを振り返ればちょうど行先方向に向かうバスがこちらに向かってくるのが見える。

ナイスタイミング!

少し先にあるバス停まで猛ダッシュし、バスに乗り込む。助かった。


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