最大の失態
■2024年(両親81歳)
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父 入院13日目 続き(9)
そして、我々が着く前にまさか命を閉ざしているなどとは想像だにしなかった。
「あと一週間」宣言を受け、もう父が終焉を迎えようとしている段に入っているんだと分かってからも、最後の最後の瞬間には絶対自分が傍にいる、横にいるのが当然のことだと信じて止まなかった。
これだけ近くにいて、病院から呼び出されればいつでもすぐに駆け付けられるのだし。
それがまさかのこのザマだ。
痛恨のあとわずか10分。
ものすごい敗北感に駆られる。
何とも空しい。
一体何をやってきたのだという、これまでの全てが無意味だったかのような無力感に襲われる。
まさか父を一人で逝かせるなんて。
最大の失態を犯してしまったような気分。
まるで役に立たない自分。