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今日の雲は何の形?人生ってそういうこと。
先日とても久しぶりに本屋に行って気になった一冊。
早速購入して読んだのがこちらです。
人間はつい正解を探してしまう生き物です。
自分の感覚、考え、答え、決断とかを
「間違ってないよ、それでいいんだよ」
と太鼓判みたいなものを誰かに押して欲しくなってしまう。
自分が描いた線を誰かがもっと太い線で
「せーかいですっ!」ってなぞって欲しい。
自分のままで生きていくということは
それなりに勇気がいるから、
いくらそっちの方が良いと分かっていても
なかなかそうは生きられない。
周りに馴染んでいる方が
失敗も少なくて怖くないし。
「ありのままの自分」に成ろうとして
進めば進むほど、行けば行くほど
簡単じゃないな、この道程は。
と思いさ知らされてしまいます…。
いつも脳が脅してくるんですよね。
ホメオスタシスっていうやつ。
ほんとに、もうイヤになっちゃう。
この本ではアートを通して、
自分なりのものの見方と答え、
そして新たな問いを見つけることの大切さ
について教えてくれます。
なんだかとても哲学的な話でもあり、
難しそうな感じもしてしまうけれど、
結局あんたはどう感じてるの??
ってことなんですよね。
空に浮かぶ雲が何の形に見えるか?
の正解なんか無くて、
それの正誤について議論しても仕方ない。
頭の中に出来てしまった固定観念とか
枠組みを外して物事の本質を見たり
本当にそうなのか?と疑いをもったり、
もしかしてこうなんじゃないか?
みたいな仮説をたてたり。
自分だったら、自分は?
みたいなものを考えてみるのは
とても意味がありそうです。
人生だってそうで、
そもそも一般的な正しい生き方なんて
存在しないんじゃない?と。
著者が、美術は雲。
と言う例えをされているのですが、
一人一人の人生も、
まさに空に浮かぶ雲のように
いつだって変化してて
全く同じ形になることなんて絶対ないんです。
それなのに
なんで正解を当てはめようとして来るんだよ!
自分も周りも!!
ふう…。
書いているうちに何だか腹が立ってきてしまいました。
…すみません。
本書の冒頭で
モネの睡蓮を見た4歳の男の子が
「カエルがいる」と言った。
というエピソードが紹介されています。
実際カエルは描かれていないのですが、
そう見えたならそれでいいじゃない。と。
むしろ、水面下にカエルいるよね?という
その感覚とか見え方に
なんだか嫉妬すら覚えてしまいます。
作者がカエルを描いてないから
カエルなんてこの絵にいないんだよ。
って大人が言ったらどうでしょう?
大人ってつまんねぇーな。
です。
ほんとに。
私は子供の頃、
よく真っ白な紙をジーッと見つめて
そこに浮かび上がってくる(ような気がした)線をなぞって絵を描いたりしていました。
なにも描かれてないのですよ、その紙には。
でもなんかそこに見えてくるのです。
そうやって、何もないとは思わずに
何か見えると思って見ていると
不思議と見えてきたりするのです。
自分に何が見えるのか
なぜそう感じるのか
ジーッと考える。
じっくり自分の感覚に向き合う時間なんて
現代人が一番失っているものですよね。
大人ならなおさらです。
もちろん仕事をしていれば
効率はとても大事ですが、
人生においては非効率が大事だなぁと思います。
非効率に豊かさを感じる人が
確実に増えている気がします。
私ももうだいぶのんびり生きているのですが、(今流行りのFIREとかではなく、ただ無職なだけ)
心は焦ってしまう時が多々あります。
多々あるというか、焦りの波っていうのがあるんですよね。
今はただ、その波が引いてるだけなのかな?
情熱燃やして熱く生きないと
生きてる実感なんて感じられないんだ!
とか思っていたのですが、
こんなふうにのんびりと暮らすっていうのも良いものなのかもしれない。
なんて思い始めています。
なぜそう思うようになってきたか?
考えてみると、
やっぱり日々味わっている時間が断然多い。
というところだなぁと。
自分の感覚をしっかり感じて味わうと
生きている感じがしてきます。
もっと静かに日々を噛み締める。
そんな感覚です。
自分なりの見方、答え、新たな問いは
時間をかけなければなかなか見つけにくいです。
だから、効率とか早くなんて考えずに
ゆっくり、じっくり、時間をかける。
ただ感じることに集中する。
その不効率をまず受け入れて行くことから
スタートです。
私はほぼ引きこもっていますけど、
最近は週に2回を目標に外に出たり
人に会ったりをしています。
そして、そこで自分が何を感じたか、
しっかり味わうようにしています。
やる気も生きる力も出なくて
もう完全にバッテリー残量なくなっちゃいました。
っていうところから
少しずつ充電しています。
日々の自分の小さな行動に意味があるか?
とかは考えず
感じよう、味わおう。
それを心がけるだけで
不思議と満たされて行っています。
これを読み終わったら、
ぜひ空を見上げてください。
今日の雲は何の形に見えますか?
「感じること」には
とても大きな効用がありそうですよ。