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【読書】いくつになっても恥をかける人になる(中川諒)

恥ずかしい思い…誰だってしたくないと思います。
僕自身、引っ込み思案な性格で、人とうまく話せなかったり、新しいことに挑戦できない日々が続いていました。

今回は、コピーライター・PRアーキテクトとして活躍されている中川諒さんの書かれた「いくつになっても恥をかける人になる」をご紹介します。

僕の行動指針をいい意味で変えてくれた1冊です。ご一読していただけると幸いです。


「理想の自分」と「現実の自分」のギャップ

そもそも恥とはなんなんでしょうか?
中川さんは、自ら描いている「理想の自分」と、そのとおりにならない「現実の自分」とのギャップに恥を感じてしまうと言っています。

そして、無意識に「尊敬されよう」と思う気持ちが、わたしたちを「恥をかくこと」から遠ざけてしまうのです。

あなたの前に2つの分かれ道があったらどっちを選びますか?
一方はこれまでのやり方で乗り切れそうな無難な道。
もう一方は、「うまくいかなかったら恥ずかしい」と感じる道。

迷ったら、後者を選んで欲しいと中川さんは言っています。
恥ずかしいと感じることはあなたが新しいことにチャレンジできている証拠。
恥は誰でも無料でできる「投資」なのです。

変化の時代に試される「いくつになっても恥をかける勇気」

「人生100年時代」といわれる今、同じ組織や会社に長く所属することは当たり前でなくなってきました。

これからは「成長」以上に「変化」が求められる時代がやってきます。
20代のときに学んだ知識やスキルだけで、そのまま70歳まで必要とされる人材でいられる保証はどこにもないのです。

恥を押しつけられる瞬間

誰かの発言や価値観の押しつけによって「恥」を植えつけられてしまう瞬間があります。

たとえば、会議で新人が勇気を奮って何か意見を言ったとしましょう。
その発言に対して「お前は分かっていない」と先輩に笑われた瞬間、言われた後輩はどう思うでしょうか。

人の勇気はシャボン玉のように儚く尊いです。
わたしたちの発言には、誰かのチャレンジを恥に変えてしまう恐ろしい力があります。

あなたがなにか新しいことに挑戦するとき、素直に応援してくれる人もいれば、「やめとけば…」と茶化す人もいるでしょう。

茶化されても気にしてはいけません。
そしてそんな人からはできるだけ早く距離をとりましょう。
その人は、人を茶化すことで無意識に自分が上位に立とうとしているだけです。

しかし、茶化した人を悪く言ってはいけません。
そもそも応援されないのが当たり前なのです。
その分、本当に応援してくれた人のことは絶対に裏切らず、必ず音を返すという姿勢でいましょう。

尊敬されようとする罠

わたしたちが恥を感じてしまう原因は、無意識に「尊敬されよう」としているからではないでしょうか。
この気持ちから自分でハードルを上げて、行動する勇気を奪ってしまいます。

お勧めしたいのは、「尊敬される人」ではなく、「応援される人」を目指すという方向転換。

応援される人とは、さらけ出せる人です。
コンプレックスは、隠すからコンプレックスになります。
そして逆に、コンプレックスを見せると、それはチャームポイントになります。

始められない人が始めない本当の理由

新年の抱負を年内に達成できた人は8〜10%しかいないと言われています。

資格取得などキャリアアップのための勉強、SNSでの発信。
できていない理由を、時間が足りないから、機材が足りていないからとさまざまな言い訳を探してしまいます。

しかし、わたしたちが行動できない本当の理由は、そんな言い訳が原因ではなく、実は心の奥底で「行動したくない」と思っているからなのです。

行動してしまうことで、「やってみたけどできなかった」という結末を知るのが怖い。
あえて行動しないことを選択することで、その結果を知らずに済まそうとしてしまいます。

行動するうえで一番ハードルが高いのは、「やればできる可能性」を捨てる最初の1回目にチャレンジする瞬間です。

行動力を奪う自己否定感情

新しいことにチャレンジしようとしたときに一番避けなければいけないのは、行動に移せない自分を嫌いになってしまうことです。

自己否定の感情が強くなったときは、無理に自分の好きになれないところを自己肯定する必要はりません。

ダメな自分の側面も受け入れる「自己受容」ができれば、心のバランスは安定します。
「ま、いっか」という肯定的なあきらめを口癖にしましょう。

一生終わることのない「完璧な準備」

2つのカレー屋さんがあるとします。
あなたはどちらのお店の方が売り上げが高くなると思いますか。

A店はメニューが1つしかない状態でお店をオープン。
お客様からは、「メニューの数が少ない」「料理の味が悪い」「待ち時間が長い」「店員の接客態度が悪い」などクレームの嵐。
しかし1つ1つのクレームを真摯に受け止め、お店の改善をし、今では大行列ができる有名店になりました。

B店の店長は完璧主義者。
料理の味も、お店の内装も、接客態度も100点満点でないと気に入りません。
美味しいカレーを作るため、世界中にあるスパイスを1つずつ手にいれ、何パターンもの味を調べています。
いまだにお店をオープンできていません。

さて、どちらのお店が売り上げが高いでしょうか。
そのとおり、A店ですよね。

何が言いたいのかというと、結局初めてみないとわからないことが多いということです。
美味しいカレー屋の条件は客の方が知っています。
クレームはある意味、最高のアドバイス。お店を彩る何よりのスパイスになるということですね。

何か新しいことを始めるときに、準備と本番を分けるのはやめましょう。
やってみてから向上させる、どうせ準備が足りることは一生ないです。

能力よりも姿勢を大事にするとラクになる

能力は相対化されてしまいます。
自分の能力を自分の価値だと思い込んでいると、自分よりもできる人が現れた瞬間に自分を無価値だと勘違いしてしまうでしょう。

能力ではなく物事に取り組む「姿勢」を大切にするとラクになります。
姿勢は誰かと比べられて優劣をつけられるものでも、時間が経つと役立たなくなるようなものではありません。

「アビリティよりメンタリティ」
「できること」に自信がなくて恥ずかしかったとしても、取り組む「姿勢」に自信を持つことで、勇気を持って一歩を踏み出すことができます。

まとめ

この本を読んで考えたのは「物事に対する考え方を変えることが大切だ」ということです。

BUMP OF CHICKENの才悩人応援歌という歌が好きで、よく聴きます。
最初の歌詞はこんな感じです。

得意なことがあったこと
今じゃもう忘れてるのは
それを自分より
得意な誰かがいたから

まさに自分の能力が価値と考えていたからこそこの歌詞が刺さっていました。

今では「姿勢」を大切にし、「できたこと」よりも「やったこと」に目を向けて自分を褒めています。

そうすることで新しいことに積極的にチャレンジすることができるようになりました。

解釈力を磨きたい人にお勧めの1冊です。ぜひ、読んでみてください。


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