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「巴蜀のラー油」と「タンタンメン」
うまくてすいません。
ホットヌードル!
ではなく、坦々麺のことです。
濃厚な胡麻のコクと香辛料の鮮烈な香りと辛味、甘辛く味付けされた挽肉にホウレン草。それに麺、ですからね。どう考えたって、おいしい。なんなら食べる前からすでにおいしい。しかし、少々「おいしすぎる」のではないかとときどき思うのです。
なにしろ脳天を直撃するようなインパクトのある「濃い旨味」をもった麺料理ですから、調味料で雰囲気を変える「余地」がまるで残っていないのです。つまり、食べ始めから最後のひとくちを胃に治めるまで徹頭徹尾、変わらぬ「おいしさに耐え切らなくてはならない」。
これはプレスリーが耳元で歌うラヴミーテンダーを聴き続けているような、または渋滞する高速道路の車内にて、子どもが好きなアニメのハイテンションな主題歌をリピートで聴き続けるような、もはや修行に近い気分なのです。
でもですね。しかしですね。
これが不思議なものでして。
なにがなんでも坦々麺が食べたい。
そんな衝動がおそってくるんですよ。3ヶ月に1度くらい。こうなったらもう、ほかの料理では満たされないのです。「坦々麺」だけに向けられる純粋な「欲求」。
これが「恋わずらい」というやつなのでしょうかね。まったく悩ましい料理です。
さて、今日はちょっと辛味繋がりでラー油のご紹介を。
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福岡にお店を構える「四川料理 巴蜀」さんの辣油です。巴蜀さんは今や本国でも失われつつある「伝統的調理法による四川料理」を再現される稀有な料理店。全国の中国料理人たちが学びを求めて来店されています。
ふたを開けた瞬間、そこは四川だった。
とでも言いたくなるような香りが立ちます。唐辛子、ニンニク、ネギ、ピーナッツ、四川花椒のエッセンスが存分に引き出されているのでしょう。なんだか胃が勝手に動き出す香りです。
きゅうりの和え物、麻婆豆腐、鍋物の調味料、サッポロ一番みそラーメン。なんでも四川風に楽しめるので大変重宝します。(本来の使い方はどうあれ。)
これ、オススメです。
今日もお読みいただきまして、
ありがとうございます。
それでは、また明日。