仕事は部下に任せよ!
管理職ともなると、部門の仕事を全部自分がやることはありません。
またそんな大量の仕事を一人でこなすのは不可能です。
では、どうするか?
仕事は部下に任せるしかありません。
バカな部下の話を前にしました。
仕事を任せるというと、「自分の仕事が減ります」とか
「部下が私よりいい仕事をしたら、私はクビになりますから、
任せられません」と自信を持って、堂々と言います。
ここまでいったら思いましましたか?
そうです、「自分より優秀そうな人は、絶対に採用しない」その本人です。
私は呆れてしまいました。なんて了見の狭い人間なんだと。
彼は新卒採用枠で私の部門に入ってきたので、私の目で選んだ
ものではないのです。しかし、いるからにはいい仕事をして
もらわないと困ります。
ただ、部下はつけられないので、彼には部下なしのラインの仕事を
してもらいました。もちろん私も目が届くようにやってもらいました。
一般に上司には、自分のほうが優秀だから自分でやったほうがよいし、
早いと、部下の仕事あるいは部下が自分で物を考える機会を奪う人が
います。
こういう人は往々にして、そのほうが生産性は高いと信じきっています。
この考え方は短期的には正しいかもしれません。
しかし、認識の違いがあります。
人間というのは、自分のことは30%以上下駄を履かせて評価し、
他人のことは30%以上価値を過小評価する、したがって部下に任せず、
自分でやった方が生産性が高いと信じ込んでいる。
上司は、60%以上現実から乖離している可能性が出てくる可能性が
あります。
つまり、自分がやってしまうのは、本人が思っているほど生産性の高い
仕事の仕方ではないのです。
それより、部下に成長機会を与えるほうがはるかに有意義といえます。
仕事を任されれば、誰でも単純にうれしいものです。
心のレベル、すなわち意欲が上がるから生産性も高まり、責任感も上がる。創造性も高まる。自分で工夫して仕事をするようになるのです。
部下が成長することによって、結局は上司も自分が楽になるのです。
結果として、自分が上司として、管理職としてやるべき仕事に時間を
使うことができることになるのです。
任せて任せ過ぎはない。上司はもう一歩、せめて半歩、部下に仕事を任せてみるべきでしょう。その結果、部下は育つのです。
失敗しても、最後は上司が責任を取ればいいだけの話です。
それができない上司は退場です。