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【第8回】普段の疲れや体調不良は腸漏れが原因かもしれない
健康に関する情報感度の高い人は、腸漏れ(リーキーガット)という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
あまりメジャーな症状ではありませんが、「寝ても疲れがとれない」「なんとなく常に身体がだるい」「肌やお腹の調子が優れない」といった日常の身体の不調は、腸漏れが原因の可能性があるのです。
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腸漏れ(リーキーガット)とはどのような状態?
私たちの食べたものを吸収・消化している腸管は、絨毛(じゅうもう)という無数のヒダに覆われており、ヒダの表面を「上皮細胞」が互いにスクラムを組み密着しています。
この密着している結合は「タイトジャンクション」と呼ばれ、有害な異物を体内に入れないための役割を果たしています。
タイトジャンクションが緩まり、異物たちが大量に侵入してくる状態を腸漏れ(リーキーガット)と呼びます。
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腸漏れを起こしていなくても上皮細胞のすき間を抜けて異物が侵入することがありますが、基本的には免疫細胞が対処してくれるため、大事にはなりません。
しかし腸漏れが起こり、異物が侵入し続けると免疫細胞がオーバーワーク状態となり、炎症を起こします。
炎症が慢性化することで免疫機能が低下し、異物が血液を通って全身に侵入して悪さをします。
「なんとなく身体がだるい」「寝ても疲れがとれない」「集中力が続かない」「肌が荒れる」「お腹の調子が優れない」「原因不明の頭痛に襲われる」などの原因がよくわからない不調は、慢性炎症が原因のケースが多いようです。
また、腸漏れによって筋肉や脂肪組織、肝臓に炎症が起きると、インスリンの作用が十分に発揮できなくなり、2型糖尿病の原因にもつながります。
腸漏れを引き起こす原因
腸漏れには、特定の原因があるわけではなく、さまざまな要素が重なって引き起こされると考えられています。
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まずは自身の生活を振り返り、腸漏れの原因になりそうな習慣を見つけてみてください。
なお、保険の適用外にはなりますが、専用の検査キットを使用した血液検査で調べることができるそうです。
食生活については、「腸内細菌のエサとなる食物繊維をしっかり摂る」「なるべく多くの栄養素をバランスよく摂る」ことはもちろん、「腸粘膜の細胞同士の結合を強化してくれるビタミンDを摂取する」「細胞を作る材料となるたんぱく質を摂取する」ことも大切です。
参考書籍
※今回の内容は複数の書籍やYouTubeの動画などを参考にして自分なりにまとめています。そのため、著者の考えと違う点があることはご了承ください。
また、できるだけわかりやすく伝えることを意識しているため、情報の不足等がある場合はご指摘いただけると幸いです。