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あなたのそのトレーニング、効果は出ていますか? O脚改善のために知っておきたいこと
かつてかなりのO脚だった私。
鏡に映る自分の脚を見てはため息をつき、「ヒザとヒザ、くっついてほしいなあ…」と力づくでぎゅうぎゅう脚を閉じようと力を入れたりしていました。
そんな私の脚も、あることが腑に落ちてからトレーニングすることでずいぶん真っ直ぐになり、いつの間にかヒザとヒザの内側もくっつくようになっています。
あることとは?
今日はO脚改善のためにまず身につけておきたい感覚を探っていきましょう。
O脚改善に効果的なのは内転筋トレーニング?!
「O脚改善 エクササイズ」などでググってみるとたくさん出てくるのが「内転筋(内モモ)トレーニング」です。
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内転筋(モモの内側の筋肉)を鍛えて脚を寄せ、O脚を改善しましょうというもの。
モモの間にエクササイズボールやタオルなどを挟んでグッと閉じるエクササイズなどは有名です。
最近では、前回のユキ先生の記事で冒頭に触れられた「脚パカ」も、内モモを使って脚をまっすぐ細くするエクササイズとして人気があるようです。
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「内転筋トレーニング」は、離れてしまった骨を筋肉の力で寄せてくる、そんなイメージです
O脚を改善するために、外に開いてしまった太モモの骨を内側に寄せるように内転筋を鍛えることは「うまくやれば」確かに効果があるでしょう。
しかしこの「うまくやれば」が曲者。
エクササイズをした時、本当に内転筋が使えていますか??
内転筋を使う感じ、頭と体が本当に一致していますか??
内転筋とは
内転筋とはその名前の通り、股関節を内転する時に使われる筋肉です。
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しかし、この内転という動き、普通に生きていたらまずしない動きですよね。
しかも反対側の脚が邪魔でうまくできなそう。
そんなわけで、この内転をするための内転筋は、そもそも使っている感、ストレッチされている感が一般的に非常にわかりにくい筋肉です。
そして非常に引っ込み思案な筋肉のため、すぐにモモやお尻の外側の出しゃばりな筋肉が代わりにその動きをしようとします。
内モモでボールを挟み内転筋を鍛えるエクササイズをしても、実際はモモやお尻の外側の筋肉が頑張っていた、ということが残念ながら起こりがちです。
まずは内転筋の存在を感じる
その1 リンバリング
では、正しく内転筋を使ってエクササイズするにはどうしたらよいでしょう?
オススメは、まずは内転筋の存在を感じることです。
「リンバリング」の要領で内転筋を感じてみましょう。
上に貼った解剖図でわかるように、内転筋はお尻の底、坐骨からモモの内側、一部はヒザの下までつながっています。
そこで、椅子の背など腰の高さ、もしくはもう少し低い安定したものの上に足を乗せてみます。
坐骨をほんの少しだけ後ろにプリッと向けるようにすると坐骨とヒザの距離が離れるので、最初はモモ裏、ハムストリングが伸びる感覚がよくわかるでしょう。
そして、骨盤を動かさないように注意しながら太モモの骨を外向きにくるっと回してみます。
内モモが上を向き、内モモ、内転筋が急に存在を主張してくるのがわかるのではないでしょうか?
そこでさらに坐骨とヒザ裏が離れてくイメージをしてみると、確実に内モモが伸びていく感じが掴めます。
いま伸びているこれが内転筋!と脳に言い聞かせてください。
リンバリングについてはこちらもどうぞ。
その2 ワイドスクワット
内転筋の存在を脳が認識したら、もう少しダイナミックに動かしてみましょう。
オススメはワイドスクワットです。
足の幅を肩幅より少し広く開き、ヒザの曲げ伸ばしをしてみます。
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この時気をつけていただきたいのは、内くるぶしの垂直線状にヒザの内側がくるようにヒザを曲げることです。
そのためには股関節を外旋(太モモの骨を外に回す)し続ける必要があります。
丁寧に股関節を外旋させながら、かかとより前にヒザがこないように、つま先の真上にヒザがくるようにゆっくりヒザを曲げましょう。
つま先の真上にヒザがくるようにヒザを曲げると、お尻はヒザより後ろにきます。
慣れないうちはバランスが取りづらくやりにくいかもしれませんが、深くヒザを曲げる必要はないので、無理のないところでストップするようにしましょう。
この動きもまた、内転筋の起始(筋肉の端っこ)である坐骨から、停止(筋肉の反対側の端っこ)であるヒザ裏が離れていく動きのため、内転筋が伸ばされます。
「この感じが内転筋が伸びる動き!」としっかり脳にインプットしましょう。
ヒザを戻してくる時は、伸ばされた筋肉が今度は縮みます。
ゆっくりと戻りながら、伸びた内転筋が縮む感覚を確かめてみましょう。
ヒザ裏やモモの内側が坐骨に吸い上げられるようなイメージをしてみるとよいでしょう。
トングで脚をまとめる
さらにワイドスクワットでイメージしていただきたいのは、このnoteでも何度か記事にしている大腰筋です。
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腰から2つにわかれ、左右の足の付け根の内側に伸びている大腰筋はまるで腰からぶら下がっているキッチントングです。
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キッチントングの挟む部分を手でまとめようとしたら大きな力がいりますが、掴む部分でキュッと握れば簡単に先がまとまります。
モモの骨を寄せるのも、遠く離れたヒザ同士を寄せようとするのではなく、腰のところできゅっと掴むイメージをしてみると、不思議なことに内転筋同士が寄ってきて、ヒザも近づく感覚があるでしょう。
ワイドスクワットでヒザを伸ばしてくる時は、腰のトングの根本を掴んでキュウッッとまとめるようにイメージしてみましょう。
まとめ
O脚を改善するキーとなる内転筋はとてもわかりにくい筋肉です。
リンバリングやワイドスクワットでまずはその存在を確かめましょう。
存在がしっかり確認できてから内転筋を鍛えるトレーニングをしてみます。
その際は内転筋だけでなく、キッチントングを握るように、大腰筋にも活躍してもらいます。
大腰筋を寄せる意識で内転筋も連動して使うことができ、より効率よく内転筋トレーニングができるでしょう。
前回の私の記事、足の小指と同様、内転筋は体の一部と認識されづらい筋肉です。
まずは脳に「ここが内転筋!」としっかり認識させてからエクササイズを行いましょう。
効果が出ること、間違いなしです!!