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「ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリア」を見に行って


*ネタバレ注意

グッとくるキリトの言葉

本作は、アインクラッドでは触れられなかった外伝的なストーリーでした。

第一層で、アスナがキリトに出会う前に、ミトというリア友と冒険していた話です。

今回もやはりキリトがかっこよかったの一言に尽きます。

土壇場でミトに裏切られ、大事な友達から見放されてしまったという事実に絶望するアスナ

キリトがそんなアスナにかけた言葉が、すごく優しくて、彼らしさが滲み出る一節でした。

細かいとこは違うけどたぶんこんな感じ

人は窮地に追いやられた時にその本性が見える、
というが俺はそうは思わない。
何気ない日常の仕草や言葉の中に、
その人の本当の姿があってもいいと思う。
そしてその人(ミト)がどういう人か、
君はよく知っているはずだ。


小手先じゃない、芯のこもったセリフでした

だからこそ、この言葉はアスナの心にしっかりと届いたようです

ミトに見捨てられたという絶望に囚われいたアスナですが、

キリトの言葉を受けて、

彼女との何気ない日々を顧みれば、

彼女が平気で仲間を裏切る人間ではないことにはすぐに考えが及びます。

そして同時に、

そういう選択をしてしまった彼女が今どんな思いでいるのかも。


― その人(ミト)がどういう人か、

  君はよく知っているはずだ ―


このセリフは、アスナにはこう聞こえたでしょう

― ミトが今どれほど後悔しているか、

   君はよく分かるはずだ ―


こうして、アスナは前向きに捉えるようになり、

ボス戦ではミト、キリト、アスナの華麗な連携でコボルトなんちゃらを見事撃破します。 





言葉に滲み出るキリトらしさ


やっぱりキリトかっこいいですよね

アスナのハートを一撃で射止めるセリフ。

なんでこんな含蓄のある言葉が出てくるんでしょう

それはやはり、まさに身から出た錆というか、

彼自身の体験から滲み出る言葉だったからでしょう。

毎度のことですが、キリトは土壇場では凄まじい力を発揮します。

仲間を守るために絶対に諦めない

その男気溢れる姿勢が、ヒロインたちがキリトに惹かれる根拠であり、

また読者が感じるSAO自体の魅力の一つでもあるのでしょう。

しかし、ただ一人、キリト自身はそんな彼の強さに懐疑的なのではないかと、そう思います。

両親の死に打ちひしがれる自分、

途中で剣道を諦めてゲームばかりに熱中していった自分

そういった日常的な過去の弱さこそが、

キリト自身が感じる自分の本質であるのではないか、

人は自分の弱さを正当化するものだ、というニーチェの言葉を思い出します。

キリトも、皆に評価される土壇場の強さよりも、

自身の弱さの方により強く意識が回るのかもしれません。

話はそれましたが、

このように、ミトとは正反対の形で、

キリトは自分の二面性を自覚しているのではないでしょうか。

そうだとしたら、ミトの後悔を示唆するような真に迫ったセリフが出てくるのも分かります。

人は窮地に追いやられた時にその本性が見える、
というが俺はそうは思わない。
何気ない日常の仕草や言葉の中に、
その人の本当の姿があってもいいと思う。


自らの弱さを自覚しているからこその、

彼らしい優しさが浮き上がって来るようで、

しみじみと暖かい気持ちが心に広がっていきます。

いやー奥が深いですね

まあ、

全ては私のほんとうに勝手な憶測なので、

実際は全然違うかもしれません。

悪しからず。

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