2021年読書記録~備忘録~
元々「読書」に大きな苦手意識があった私は、2021年の目標として「月に1冊本を読む」を掲げていた。自分のためになる本や勉強になる本を選べるほどの知識は当然持ち合わせていないので、とりあえず読んでみたいと思った本を手に取って読むことにした。
読書好きの方には鼻で笑われてしまうかもしれないけれど、とりあえず何となくでスタートした緩い目標を大きく超えることができ、今年は37冊の本を読むことができた。
私個人の備忘録として、その中で印象に残った5冊をここに書いておきたい。
【印象に残った5冊】
1.超訳 カーネギー 人を動かす エッセンシャル版 (ディスカヴァークラシック文庫シリーズ)/デール・カーネギー (著)、弓場 隆 (翻訳)
デール・カーネギーについて学ぶというよりも入門書に近い1冊。1ページに1テーマのみしか書かれていないのでとにかく分かりやすい&すぐに実践しやすい。
読み終わった後に早速いくつかを仕事で実践してみたもののとにかくエネルギーを使うしとにかく疲れる。ただ、この書に書かれていたことのうち1つだけはと決めて数か月続けてみたところ、仕事の風向きが少しずつ変わってきたと感じている。
週間テーマを決めて1つを意識するといった形で来年はもっと実践していきたい。
2.静かなノモンハン (講談社文芸文庫)/伊藤桂一
ノモンハン事件から生還した3人の体験談をもとに書かれた小説。淡々とした文体でどこか他人事にも感じさせそうな語り口に感じ、それがかえって強烈な虚しさを読後に残した。
どうせ死ぬのだからこんなこと(ネタばれになるので割愛)をしなくてもよいという諦念と、生き残ったのちにどうしてあれをやらなかったんだろうという後悔との二つを持ち合わせたシーンが印象に残る。
淡々とした文体は、人が死に人を殺し人に殺されることが日常になるが故かと思うと、腹に大きな鉛が錆びて沈む感覚に襲われる。
3.指導力 才能を伸ばす「伝え方」「接し方」 (PHPビジネス新書)/仁志 敏久
野球U-12日本代表監督の経験をもとに書かれたもの。学校教育や会社での部下指導とは違った視点で書かれていて勉強になることが多かった。
指導者の責任、根拠を持った指導、知識のアップデート等々、自分の立場に胡坐をかいていないか?を問うために読み返したい。
経験をもとに書かれているので野球の話が中心であるものの野球が分からない人でも読める。著者自身もおそらくそれを望んでいて(指導者だけでなく子育て中の方にも読んでほしいみたいなことが書かれていた)、そこに対する配慮が随所に感じられた。野球に疎い私でも読めたので大丈夫。
4.あなたの脳のしつけ方 (青春文庫)/中野信子
脳科学的な観点から「どうしてそうなるのか」「こうするとどうなるのか」が書かれたもの。理論よりも実践的な部分に重きが置かれていて分かりやすい。
周りの理解できなかった言動も「だからこうなるのか」と根拠を持って理解できたことは大きかった。
納得はできないが理解はできる、これだけでストレスやイライラが少なくなると思えた。根拠や理由を求める自分にぴったりであったと思う。
5.プロカウンセラーの聞く技術(創元社)/東山 紘久
臨床心理士である著者が長年の経験をもとに、相手の話を「聞く」テクニックについて書いたもの。
どうしても相手に対してアドバイスをしてしまったり忠告をしてしまったり事実を聞き出そうとしてしまうことが多く、かつそれを「相手のためを思って言っている」と勘違いしがちになる。そういった勘違いにハッとさせられ脱却の糸口になる書だと思う。
特に、相槌の種類を増やすことや沈黙をおそれないこと、AskでなくListenなどはこれを読んで以来気を付けるようにしている。
6.おわりに
2年ほど前に買ったままいまだに読了しない西田幾多郎「善の研究」、2022年こそ読破したいと考えている。来年も、多くの素敵な本と出合えますように。