親知らず子知らず
漫画『毎日かあさん』でお馴染みの西原理恵子さん。そんな大ヒット漫画で出てきた実の娘が「毒親」だと実名SNSで書き込んだそう。あれだけの大人気漫画でアニメ化した際に僕も見たことはあったが、あまり悪い気はしなかった。ただ、脚色は少なからずあるだろうし、複雑な環境を見てると現実を思い知らされると同時に「親知らず子知らず」という言葉や親が主役になりがちなズレみたいなのを考えてしまう。
親にあれこれされて
僕自身の親は「毒」が多かれど、ヒステリックじゃなかっただけまだマシやとは思う。ただ、与えられたものが親の主観優勢みたいなところや僕がワガママを言うことに極端な恐怖を感じてた故の何も言わないのを繰り返してきた。アトピー治療で親から与えられたものは基本的に無言の抵抗みたいになっていたぐらいだし、大阪のおばあちゃん家に行っても大半を大阪梅田でのデパート巡りに費やされて、あまり楽しくなかったことも多かった。そして怒られたことも多数。
父は基本干渉は少なかったが、勉強のことはだいぶあった。父は地元の進学校から関大に進み、一流IT企業に就職したエリート。似たような道を進んで欲しいみたいな気持ちがあったからか厳しく言われがちだった。ただ、繊細で人間関係が不純な僕がそんなことで成長できるはずなく、スパイラルに陥っていった。
親はサブキャラ
ある日曜の朝に『ボクらの時代』をみてたときのことをちょっと思い出す。「鬼越トマホーク」坂井さん、「空気階段」鈴木もぐらさん、「ニューヨーク」嶋佐さんの3人が飲み会テイストでフリートークをするという回。その内のもぐらさんの子供が産まれたエピソードで親になったもぐらさんが一番に思ったことが
ドラえもんにおける「のび太」とそのパパ「のび助」の描かれ方を交えつつ、子供の前ではでしゃばらないよう支えていくような決意をもぐらさんは語った。
心配でしゃしゃり出ても
子どもが心配なのは否定はできんが、気が付かないうちにしゃしゃり出てしまって逆に傷つけることにもなってしまう。冒頭の記事では子供の成長記録をSNSで公開する親の違和感にも触れられているところがあって、過剰な愛の恐ろしさや表現する愛の全てが栄養ではないことを実感する。
愛がネガティブに
「モンスターペアレント」「ヘリコプターペアレント」など親の愛から生まれたネガティブワードって多いし、「毒親」「親ガチャ」という子供のジェラシーから生まれたワードも多い。「親の心子知らず」「子の心親知らず」っていう言葉がハマる。良い子に育てたい。危険な目に遭ってほしくないし、大切な命を失いたくないなど親が思うことはだいぶ複雑だと思うし、そういう愛情を僕はかけられてきた。
僕がもし大切な存在ができたとしよう。アカンことはアカンて言わないといけないのはもちろんだが、やり過ぎてジェラシーかけられたらたまったもんじゃない。自分の育てられ方が必ずしも別人である子供にもハマるわけではないし、苦労して命を削ることは避けては通れないと思う。子育てにこれという答えがあるわけではないし、僕が言ったところで説得力はない。ただ、もぐらさんの「サブキャラ」という一言や考えは少し救いになるかもしれない。