後脛骨筋機能不全症(PTTD)~臨床所見・評価・介入~
前回の記事ではPTTDの基本的な部分を紹介しました!
今回の記事はその続きとなっています!
後脛骨筋の機能解剖はこちら!
それでは宜しくお願いします!
5.PTTDの経過と臨床所見
ほとんどの患者で、緩徐な片側性の扁平足への変形が認められています。
それ以外にも、多くの臨床所見が認められます
・外傷の既往歴があることが多い。
・足関節内側面に沿った疼痛と腫脹
・つま先立ちの疼痛、もしくはつま先立ちができない
・内側縦アーチの低下
・足部の変形や靴の異常な摩耗
・バランス感覚の低下
・階段の上り下りや凹凸のある場所での歩行困難
これらの所見すべてがあてはまるわけではないですが、一つ一つ評価していく必要があります。
6.PTTDの評価
PTTDの評価は問診、触診(圧痛)、筋力評価、X線、FPI-6などを用いて行います。それぞれについて、説明していきます。
6-1.問診
問診では足部の外傷歴があるのかを確認します。また「疼痛がどの部分にあるのか?」「いつから痛いのか?」「悪化する動作はあるのか?」などを聴取します。
「疼痛がどの部分にあるのか?」
→疼痛が内果周辺にある
「いつから痛いのか?」
→慢性的な経過をたどる
「悪化する動作はあるのか?」
→歩行で疼痛が悪化する
6-2.触診
内果後方で圧痛や腫脹が認められる事が多いので、同部位で評価を行います。
6-3.筋力評価
PTTDの場合、疼痛が生じたり、つま先立ちが十分に行うことが出来ません。
テストの方法は両手を壁につき、膝関節伸展位で踵を挙上します。踵の最大挙上位置を左右差で比較します。
初期の評価ではPFBT testを行って、筋力を評価しても良いかもしれません。
6-4.X線
Meary角は扁平足を評価する指標となります。内側縦アーチが低下しているかどうかを確認します!
立位での距骨の長軸と第一中足骨の長軸の成す角度を評価します。
・0°が正常
・0°~15°が軽度
・15°~40°が中等度
・40°以上は重度扁平足
と評価します。
6-5.FPI-6
FPI-6は私が臨床で最もよく使用する足部の評価方法です。足部の静的アライメントだけでなく、動的な足部アライメントととも中等度相関すると言われています。
6-6.靴の異常な摩耗
PTTDやアーチが低下している場合、靴の内側が減りやすい傾向があります。
PTTDを疑った場合、必ず靴の評価も行うようにしましょう!
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