腱板筋の血流と腱板断裂を考える
理学療法士を含むセラピストは筋肉、骨、靭帯などの知識については豊富に持ち合わせていますが、血管や神経の走行や解剖の知識については疎い場合も多いと思います。
そういう私も学生時代や臨床に出てすぐは、血管や神経の事を考えずに臨床をやっていることがほとんどでした。
最近では、神経の解剖や役割がセラピストのなかでも認識が深まり、勉強会でも着目されるようになり、神経に対する評価やアプローチの幅が広がり、患者への対応も変わりつつあると思います。
では、血管についてはどうでしょうか?
血管は神経と共に伴走することが多く、組織の修復、栄養や代謝物の運搬など神経と同等の重要な役割があります。ですが、血管においては神経ほど着目されていないのが現状だと思います。
今回の記事では、腱板の血液供給について着目し、血液供給から何を考えて介入しているのかを紹介したいと思います!
1.腱板の血流支配
棘上筋の血液供給は肩甲上動脈、胸肩峰動脈の肩峰枝になります。棘下筋と小円筋は後上腕回旋動脈、肩甲下筋は肩甲下動脈から血液供給を受けます。
さらに詳しく見ていくと
腱板は様々な動脈から血液供給を受けており、1つの血管からの血流が障害されても、他の血管から血液が供給されると考えることが出来ます。
また、肩関節周囲の血流は網目状の動脈網を形成しており、腱板の血流を考える上で重要になると考えられます。
さらに腱板の血液供給を考える上で、滑液包と腱付着部との関係性を考える必要があります。「なぜ?」滑液包と腱付着部なのかというと、この二つの組織から腱板筋群は血液供給されるためです。
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