たった10秒のトレーニングから体を変えた話≪ダイエットの敵”食欲”の正体とは≫
今回の話はダイエットの敵とされがちな”食欲”について。
ナッツを食べたり豆腐を食べたり、騙し騙し空腹感と戦ってきたあなたにおすすめの内容です。
私もこれまで、空腹をごまかすために様々な方法を試してきましたが、どれも続けるのには限界がありました。(やっぱりスイーツしか勝ちません。)
そこで、「そもそも”食欲”とは何だろう?」「どんなしくみをしているんだろう?」という疑問に辿り着き、あらゆる文献を調べました。
知ることで対策が打てるようになり、”我慢をする”ということが以前よりも格段に減ったのでご紹介します。
食欲のしくみ
通常、体内のエネルギーが不足すると血糖値が下がり、脳の摂食中枢から「お腹が空いた」と信号が出ます。食事をすると今度は血糖値が上がり、満腹中枢から「お腹がいっぱいになった」と信号が出され、食べるのをやめます。
つまり、血糖の数値によって空腹状態を示す信号が中枢神経から出され、食欲にアクセルまたはブレーキがかかるというしくみになっています。
ここで注目したいのが、<血糖値が上がらないと満腹感を得られない>ということです。
ついダラダラと食べ過ぎてしまったり、数時間後に間食をしてしまったり、いわゆる”無駄食い”に走ってしまう原因はこれが関係しています。
もう一つの食欲
血糖の数値以外にも中枢神経を刺激し、食欲のスイッチを入れる要因があります。
好きな食べ物や美味しそうなものがあると、たとえ空腹でなくても食べたくなりませんか? 私も「美味しいものを食べている時が一番幸せ♩」と心から思っているので、食後にデザートがあるなら迷わずいただきます。
これには、”ドーパミン”をはじめとした脳内物質が関係しています。
”ドーパミン”とは、快楽や幸福感をもたらす神経伝達物質の一つで、「美味しい!」と感じるものを食べた時にも分泌されます。
こうして幸福感を得ることで、その対象となる行動が強化され、たとえ空腹でなくとも「食べたい!」と食欲が湧いてくる。まさに「やみつきになる」というしくみです。
食べ過ぎを招くNG習慣
食欲のメカニズムはとても複雑で、まだ明らかになっていないこともありますが、現時点でわかっていることを簡単にまとめました。
では、実際どんなことに気をつけて食事をするべきなのでしょうか。
ついやってしまいがちな”NG習慣”をチェックしてみましょう。
①早食い
昔から「早食いは太る」と言われていますが、これにはちゃんとした理由があります。
食事を始めてから血糖値が上がるまで最低20〜30分はかかるため、早食いをしてしまうと満腹感を得る前に食べ過ぎてしまうことになります。
美味しいものはつい頬張るように食べたくなりますが、1回口に運ぶごとに箸を置くなどしてゆっくり食べると効果的です。
②よく噛まない
噛む回数が多いと、摂食抑制作用をもつ”ペプチド”と呼ばれるホルモンが増加し、血糖値の上昇により食欲が抑えられます。また、咀嚼回数を増やすことで食後の代謝(食事誘発性体熱産生)が上がることも多数報告されており、日本の食育現場では、1口あたり30回以上噛むことが推奨されています。
③食べる順番を気にしない
今やダイエットの常識として”ベジファースト”という言葉をよく耳にしますが、どのような意味かご存知ですか?
端的に説明すると、<タンパク質や炭水化物よりも先に”食物繊維”が豊富なもの(野菜やきのこ類、海藻など)を食べることで糖の吸収を緩やかにし、脂肪を溜めにくくする食事法>のことを指します。満腹感を得やすく、食べ過ぎを防ぐ効果もあるため、健康的なダイエットをする上でぜひ取り入れたい食事法です。
④ストレスを溜める
慢性的なストレスは、最終的にストレスホルモンとも呼ばれる”コルチゾール”を分泌させ食欲を増進させます。このコルチゾールは満腹中枢を刺激するホルモン”レプチン”の分泌を抑制するため、食欲にブレーキがかかりづらくなってしまい、”やけ食い”がこの典型です。
特に、ストレスへの対処行動としてお酒や甘いものがほしくなる傾向が強まるため、ダイエッターには注意が必要です。できるだけ、ストレスにより消耗しがちな糖質や必須アミノ酸を含む良質なたんぱく質を十分に摂るようにしましょう。
⑤寝不足
習慣的な寝不足は、血糖値をコントロールしている”インスリン”の作用を低下させることが知られています。他にも食欲を抑える作用の”レプチン”が減少、食欲を促進させる”グレリン”の増加なども指摘されています。
睡眠すらも食欲に関係しているのは少し意外かもしれませんが、もし当てはまるようなら、ぜひ今夜は少し早めにベッドに入りましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
世の中には色んなダイエット法がありますが、一生リバウンドしない方法はただ一つ。<普通の食事を普通にする>ことです。
とは言え、これまでの食習慣を変えることは容易ではないですし、魅力的なお菓子があれば食べたくなるものです。ストレスが溜まる時や寝不足の時だってありますし、付き合いで飲みすぎたり食べすぎたりしてしまう時もあります。
ですがそれも、毎日ずっと続くわけではないはず。(毎日ずっと続くとなると、もはや”環境”の問題になってきますが…。)
地道ではありますが、日々の食習慣を整えることで少しずつ食欲をコントロールできるようになり、ダイエット効果だけでなく”ストレスに強い心”や”質の良い睡眠”が得られます。
するとさらに食欲をコントロールしやすくなるという、まさに好循環。
何かで代替えをして空腹を誤魔化すのも一つの手ですが、ぜひ一度、食欲と向き合ってみませんか?
励みになるので、共感したり参考になった!と思ったらぜひ、「スキ」で教えてください。
YUKI