金庸「碧血剣」の最後の漢詩「万里霜烟绿鬓を迴り~」の調べモノまとめ、とちょっとした感想
金庸先生作の「碧血剣」を読み終えました。
いやぁ青青が死ななくて本当に良かった。
碧血剣には色々な女性が出てきますが、自分は青青が1番好きです。
わがままなところもあるし、すぐ嫉妬するし、情緒も不安定な青青。
ですが、好きな人に一途で、気丈に振る舞いつつ本当は脆い心のか弱さが、どうしても側にいたくなるような魅力があります。
まぁそれはいいとして、『碧血剣』には最後に漢詩が引用されます。
小説に合わせて書き直すと
漢詩が読めないので、調べてみたのですが日本語では中々情報が出てきません。これは困りました。
せっかく小説の面白さと予想外のラストで奮い立っているのに、肝心の決め台詞が理解できず、なんだか気持ち悪いではありませんか。
なので、『百度知道』のページをツール使って翻訳し、なんとなくですが色々とわかりました。
この漢詩を作ったのは金庸先生の祖先、査慎行さんという方でした。
そして漢詩や単語を翻訳した私的な解釈としては
『いまこの大地はどこまでも木々が生い茂り、霧に揺れる月明かりが人影に邪魔されることなく、ただ時間が静かに流れている。かつて10年もの間、戦乱が万民を苦しめていたというのに』
という感じでしょうか。
正確性には欠きますが、こうして意味を自分自身で納得出来た時、すぐに松尾芭蕉のあの有名な句を思い出しました。
つまり、この最後に引用された漢詩で意味している事はというと、
「碧血剣」の中で描かれてきたイザコザや動乱は全て過ぎ去ってしまい、ついに新たな時代が始まっているよ。めでたしめでたし。
という締め方だったのだと思います。
いやー、めでたいなら良かった。いやーめでたい。
しかし袁承志。一時は今にも死ぬ寸前だった青青が生き返ったのだから、抱きしめるぐらいはしても良かったんじゃないか。恥ずかしかったのかな。
あと何度も青青を放置したことで危険な目に遭ってるんだから、また置いてこうとしたのは正直びっくりしました。
でも「いや、一緒にいてやれよ!」と読み手が思ったら、完全に小説の世界へと引き込まれている証拠なんでしょうね。
笑傲江湖も面白かったけど、碧血剣も実に面白くて最高でした。
もし『碧血剣』を読んだはいいけれど、最後の漢詩の意味が分からずモヤモヤしている方に、このページが一助となりましたら幸いです。
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