香港の公衆トイレ事情
今朝地下鉄で仕事に向かっていました。
私は以前の記事にも書いた通りお腹が弱く、多分一般の人たちより人生の長い時間をトイレで過ごしています。
今日の仕事先はとても遠くて、片道二時間かかります。途中で先方のドライバーがピックアップに来てくれるので途中から車ですが、一時間半は地下鉄です。
で、私は大体20分前には待ち合わせ場所に着くので、いつも地下鉄駅のトイレにお世話になります。
香港島サイドの金鐘駅(アドミラルティ)という駅で待ち合わせなのですが数年前にサウスアイランドラインという新しいライン(地図では一番したの黄緑色ライン)が開通したところにトイレもできました。
このトイレが広くてきれいで快適で、香港島での仕事の際には、私の憩いの場所となっております。
香港は最近でこそ、地下鉄駅にトイレを持つ駅もちらほら出てきましたが、以前は香港の地下鉄駅には基本トイレはありませんでした。
これはお腹の弱い私には結構死活問題でした。
ま、香港の地下鉄にトイレが急に増え始めたのも内陸の人の増加も原因の一つだと思います。
私自身は私の中に香港の公衆トイレマップが大体できているのでもう困りませんが、内陸から出て来たばかりの人がトイレを探してウロウロする姿を数年前はよく見かけました。
地下鉄の中で、子供が我慢できなくなってペットボトルやスーパーの袋にオシッコさせたり尖沙咀の歩道のど真ん中で用を足しているおばちゃんとか。
ちょっとそこらへんでと言っても、誤魔化しの効かないポーズとその構造上、垂直面に向かって用を足せるわけではない為に最低限のスペースで済む男性とはワケが違います。必要となる広い体積とやっぱり360度姿を隠してくれるドーナツ型茂みでもないと無理だし。
しかも、日本と勝手が違う為香港の公衆トイレは慣れないとちょっと捜しにくいのです。(特に清潔なトイレ)
土地勘が出て来て、経験の積み重ねでだんだんとどこら辺にありそうというのもわかってくるのですが、買い物のメッカ尖沙咀や旺角などでも街角トイレというのは、見つけにくいと思います。
香港に慣れない頃は、よくペニンシュラホテルという大きなホテルに行ってチップを払ってトイレしていました。(チップは別に払わなくてもいいのですが、当時はココほどトイレを清潔に保っているところが本当になかったので、毎回感謝の気持ちを表現したい衝動に駆られてチップを勝手に払っていました。この時点ですでにチップを払わない人多数)
今ではだいぶ改善されて、困る場面も少なくなりましたが、まず外でトイレに行きたくなった時、初心者に安心なのはホテルトイレと大きなショッピングモール。尤も観光で来る分には、そういう所しか行かないからほぼ困る事はないでしょう。
仕事などで色んなビルに出入りしていると、小さなショッピングモールは勿論、中途半端に大きなショッピングモール兼オフィスビルみたいなところでは、未だにトイレに鍵がいるところがあります。そのオフィスビルの人間か、レストランの利用客以外はダメ、というパターンです。
これで肩透かしを喰らった事多数。
ま、厳しい時はそこで鍵を持った人が来るのを待ち伏せして一緒に入るストーカー方式を利用したり。
noteを始めたばかりの時、私は中国から香港に出て来てトイレがめっちゃキレイ、と書きました。
が、過去記事にもある通り、やっぱり日本とは比べ物になりません。
何せ、色々な観念、習慣の違いよりも致命的な問題があるのです。
それは・・
水の問題
香港は水が常に不足しており、ほとんどを内陸からの輸入に頼り切っています。なのでトイレの水は海水なのです。広州からフェリーに乗って香港に初めて降り立った時、フェリー乗り場のトイレに行きました。トイレという設備が内陸より果てしなく美しい事に感動した私でしたが、便器の中にたまっている水の色がおかしかったのです。
最初は流しきれてないのかな?と思ったのですが違いました。ちょっと灰色っぽいっていうか、汚れている感じの水で、時々葉っぱのちぎれたような屑も混じっています。大雨が降った後などは、明らかに濁っています。
内陸と比べれば、天国のようにキレイですが、現実的に内陸の人たちのみならず、トイレマナーは悪いので(大きなショッピングモールは大体掃除のおばちゃんが常駐しています)トイレの設備自体はオッケーなのに、便座や床やサニタリーボックス付近がエラい事になっています。
なので、香港の公衆トイレでは基本こうです。
①中腰で致すスタイル
便座には腰を落とさず、中空から致すスタイル。これで便座全体が派手にべちゃべちゃになっているので、同じようにせざるを得ないという形。
②便座の上に和式風にしゃがんで致すスタイル(内陸中国人に多い)
内陸の人は、洋式トイレのお腹にグッと力が入れられない感じを嫌う人も多く、洋式トイレでも便座の上にかがんで用を足す人多数。だから便座に靴跡がついていたりします。
小さい下町のショッピングモールに入ったりすると、流されてなくて中がおぞましい状況になっていたりという事もあるので、近年になってから余計に、怪しい公衆トイレにはできる限り近寄らなくなりました。
掃除のおばちゃんが常駐しているようなところは、大体個別に消毒スプレーも設置され、いつもきれいに保たれているので、そういうところでだけは、便座を拭いて、トイレットペーパーをぐるっと便座に敷いて使える(←一応二重の保険をかける)所も増えています。
キレイなところはキレイに、汚いところはいつまでも汚い、トイレマナーという意識自体が革命的に改善されない限りは、香港での快適トイレライフはまだまだ遠い道のりです。
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