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2025年1月-2_1日1個はお手伝いをする
「1日1個はお手伝いをする」
小学生の目標に見せかけたアラサー独身女の目標である。
去年、東京から実家に戻ったのだが、一人暮らしのときとは違い、専業主婦の母親がいるため、ついつい任せっきりになってしまう。それが積み重なると、母は突如不機嫌になり黙り込む、あるいはぶつくさと呪文を唱え始めるという生態が去年明らかとなった。
呪文は難解で私にも何を唱えているのか未だに不明だ。とにかくご機嫌が斜めというより直角に傾くほどの悪さであることは猿にでも分かる。
そんな母の態度は、心理学的に「受動的攻撃行動(Passive aggressive)」という。相手に対して直接的に怒りをぶつけたり反抗したりせず、間接的に攻撃・反抗の態度を示すこと。代表的な例としてはこんな感じ。
・皮肉を言う
・無視する
・避ける
・明らかに不機嫌な態度(ため息、大きな物音をたてる)
・頼んだことを行わない、あるいは遅らせる
特に察する文化のある日本にはよくあること。イライラしている人がいると自分がなんとかしなきゃ、場を和ませなきゃと思ってしまうのもこの現象。あなたの会社や近しい人、あるいはあなた自身がこの行動をとっているかもしれない。
この行動の多くは、対立や衝突への恐れ・怒りや不満の表現スキルの欠如・目上の人や抑圧に対する反抗心などから来ている。
ここで母の怒りを察してあれこれと動いたなら、それこそ不機嫌な態度で相手を動かす(コントロールする)という成功体験を積ませることになり、行動が強化されてしまう。それは断じてならぬ。娘、「母の怒りが収まるまで一旦避難。落ち着いてから話し合う」を選択。話を聞くと、母が受動的攻撃行動を示すのは、直接伝えることに疲れたからだそう。過去を思い返せば、幼い頃も私に直接伝えても聞かないときの最終手段に受動的攻撃が発動されていたような…。
母のためにも自分のためにもその態度を容認するつもりはないが、アラサー独身娘が家事もせず実家で暮らしているのも確かにいかがなものか。もしも自分が母親の立場だったら、「いつまでスマホいじってんだよ!手伝え!」とぷんすか怒っているだろう。受動的攻撃行動をとって相手をコントロールしようとするのは母の問題だが、家事を手伝わず母に負担を増やしているのは私の問題である。娘、反省。
という経緯で、「1日1個はお手伝いをする」という目標が設定されたのである。
完璧な人間はいないのと同じように、完璧な親・完璧な娘など存在しない。毒親だのアダルトチルドレンだの巷で言われているが、言ってしまえばみんな各々の毒を持っており、同時に傷ついた子どもでもある。そこに囚われるより何をしてもらったか、与えてくれたかにフォーカスできるようになると、毒も傷も大して気にならなくなる。(毒や傷を抑圧、見て見ぬ振りするという意味ではなくてね)
ということで、今日も私は、母と呼べる存在がこの世界にまだ存在していることに感謝しながら、お手伝いしてくるわ。