『FPU ～若き勇者たち～ 』 维和防暴队 中国映画 鑑賞記録
2024年10月26日 東京・中国映画週間で鑑賞しました。
推し 王一博が2021年5月に撮影し、本国でも3年を経て今年5月にようやく公開された待望のアクション大作です。
日本では2025年1月10日から全国上映が予定されていますが、上記映画祭でいち早く上映され、御覧のように即完売の人気でした。
一時はお蔵入りも覚悟した本作でしたが、ようやく日の目を見たことに感無量です。
いろいろな観点からのご意見もあるようですが、ここではファン目線の感想を綴りたいと思います。
お時間あればお付き合いくださいませ。
邦題 FPU～若き勇者たち～
原題 维和防暴队
監督 李达超（リー・タッチウ）
公開 2024年5月1日
101 分
国連平和維持警察隊
Formed Police Unite（略して FPU）これが本作のタイトルになっている。
舞台は武力紛争が続くアフリカの某国。国連の要請を受けて中国のFPUが派遣される。戦争による国内の混乱に乗じて、現地の住民の中に武器や麻薬を持ち込んで人々を搾取する反政府武装集団が存在している。対立する政府軍、そして地元の人々が入り乱れて内紛が続く、極めて治安の悪い地域だ。
地元の人々は武装集団によって辛い目に会っているので、外部からやってくる人間を容易には信用しない。そのためFPUの活動は物理的な危険性に加えて、現地住民との人間関係においても困難なミッションなのだった。
中国のチーム構成は、分隊長のユー・ウェイトン 余卫东（ホアン・ジンユー 黄景瑜 演）、狙撃手 ヤン・ジェン 杨震（ワン・イーボー 王一博 演）、通訳兼連絡係のディン・フイ 丁慧（チョン・チューシー 钟楚曦 演）、小隊長 小隊長 ジョウ・ジアシュエン 周家轩（オウ・ハオ 欧豪 演）ら。
能力が高いが故に自負心と正義感が強い 杨震は、いつも先走り気味でチームの連帯を乱しては余連隊長からお仕置きを食らっている。
実は杨震の父親である ヤン・チェン 杨琛（チュウ・ヤーウェン 朱亚文 演）と余連隊長には因縁の過去がある。そのため 杨震は余に対して複雑な感情を抱いているのだ。
ド迫力の映像
精鋭部隊は一触即発のリスクをはらむ最も危険なエリアへと向かったが、その時あるきっかけで大きな暴動が起こってしまう。
銃撃戦、爆発、狙撃犯の追跡… 緊迫の場面が目まぐるしいスピード感で迫力満点に再現されて、息つく暇もない。アクションや爆撃、爆発、大音響の戦闘シーンは本作の大きな見どころだ。
ロケは広西省北海市。60万平方メートルの敷地に本物そっくりなアフリカの街が作られたと聞く。使われている武器や銃も実物と同サイズで精巧に再現されているそうだ。リアリティーをとことん追求していて、予算の規模がうかがわれる。
スナイパー同士の撃ち合いや、嵐の夜の凄まじい火薬量の闘いは見もの！音響効果も相まって迫力が半端なく、一瞬もまばたきできない。
製作総指揮に アンドリュー・ラウ。『インファナル・アフェア』三部作の監督・製作・撮影で知られるレジェンドだ。
監督は香港出身の リー・タッチウ 李达超。『マトリックス』ではキアヌ・リーブスのアクションコーチ、『インファナル・アフェアII 無間序曲』のアクション振付けも担当している。
この顔ぶれを見るだけでも、映像のすごさが想像できようというもの。
現地住民の命と安全を守りきる
自らの命を危険にさらしながら現地住民の生命と安全を守り抜こうとする彼ら。その尊い姿に胸を打たれる。
平和な日本からスクリーンを通して見る世界は「言うは易く行うは難し」の一言だろう。数か国が共同で行う作戦の難しさ。それぞれのやり方や考え方、立場の違いも浮き彫りになる。命懸けのミッションの最中に起こる不測の事態。一歩間違えばそこにあるのは死だ。チームワークが明暗を分けていく。
そんな中で徐々に連帯感を増していく精鋭チームがカッコいい。
黄景瑜 の兄貴感あふれる頼もしさは天下一品だ。厳しくも温かい目線で信頼を勝ち取り、チームをガッチリまとめ上げる余連隊長がはまっていた。
特筆したいのは、若さに任せて一直線に突っ走る若者 杨震を持ち前の演技力と身体能力を生かして演じ切った 王一博！ 自分の能力を過信しがちで、正義感を支えに危険を顧みず猪突猛進する役処が、いつもながらよく似合う。ただそれだけではなく素直な面も持ち合わせて、周りとも協調していける青年像を見事に演じ、初の主演（撮影順）としてしっかり演じ切ったことがファンとして誇らしい。
雨の中銃を構える 王一博はめちゃカッコいいので是非ご覧になっていただきたい！！
そして、美しくも心優しい 丁慧役の 钟楚曦の情感の伝わるお芝居もとてもよかった。
中国映画ではあるけれども、アクションや銃撃戦はハリウッド映画を彷彿とさせる大作です。25年1月の公開時にはぜひ劇場でご覧くださいね！
この記事で今秋の映画祭関連作品はおしまいになります。全部で9作品、どの映画も心に残る良作でいい鑑賞体験でした。楽しかったなー。
今日もお読みいただきありがとうございました！