『城中之城』 中国ドラマ 鑑賞記録
最近ずっと推し関連の投稿が続いていましたが、そろそろ完走したドラマを書いておかないと忘れそう 笑、、という訳で今回はこちら。
金融業界を舞台にしたビジネスドラマです。
キラッキラのイケメンは出てこないし(ファンの方すみません)上陸はないと思うので、ネタバレ配慮ナシでいく予定です。
これから視聴予定の方はご注意くださいね。
金融界の裏側
主人公 陶无忌(白宇帆 演)は深茂銀行に就職する。田晓慧(夏梦 演)という可愛らしい彼女がいる。同じ銀行に勤める友人 程家元(姚一奇 演)と切磋琢磨して仕事に励んでいる正義感の強い好青年だ。
もう一人の主人公に 于和伟演じる 赵辉。後に銀行の支店長になる、无忌が師と仰ぐ人物だ。彼の大学の同級生仲間である 苗彻(王骁 演)、苏见仁(冯嘉怡 演)、谢致远(涂松岩 演)もまた、それぞれ同じ銀行や金融界で活躍(暗躍)している。
赵辉 の命の恩人である 吴显龙(王劲松 演)と、その息子 吴小飞(冷纪元 演)が、物語に奥行を与える。
親子や親戚関係だったり、恋人や友人関係だったりと、登場人物が仕事以外で密接に繋がっていることが、癒着を生む要因になったりもしていて、彼らが真っ当に仕事をするのではなく、金銭欲や嫉妬心、復讐心、その他諸々の負の感情が種火となって徐々に悪に手を染め、そこから抜け出せなくなっていくのがこのドラマのキモだ。
徹頭徹尾、真っ白なのは 陶无忌と監査部の 苗彻のみ。あとは薄いグレーから真っ黒までいろんな深度で闇に取り込まれていく。ついに収監される人物まで出てくるのだ。
ね?おじさん率高いでしょ(笑)
金融界の専門用語と規模
銀行、信託銀行や証券会社など幅広く金融界が舞台だが、そこで使われている専門用語の理解が難しかった。微博のドラマ公式アカウントでも下の画像のような専門用語の解説を上げていたので、本国の人たちにとっても難解なのだろう。国のシステムの違いによる用語の差異もおそらく存在しており、実際にどんな手段で敵を陥れたのか?などの詳細は曖昧な理解に留まった。
また、日本と銀行の規模が違わないか?!と思う場面が多々。最初、本店かと思ってたのは支店に過ぎず、まるで頭取(少なくとも信用銀行の理事長ぐらい)の広々と長めのよい個室を持ってる 赵辉が、いち支店長だったのには驚いた。リテール窓口の並ぶ1Fホールの広さはまるでホテルのよう!
規模に比例して役割や取扱い金額、権力も大きいのだろうなと想像する。
大きなお金を、公私の別なく闇の手段で動かす彼ら。恋人関係も大学同級生同士の友情にも、少しずつ亀裂が入ってゆくのだった。
善悪の境界ラインは徐々に曖昧となり、それを自覚せぬまま、目的のためには手段を選ばず、の泥沼へと足を踏み入れてしまう。ついには事故に見せかけて友人が殺害されてしまうという事態に…
個性的なキャラ
尊敬していた師匠の赵辉までもが闇取引に加担していたと知る 无忌。悩みもがきながらも自分の道を見失わない真っ直ぐさがよかった。
ただ、彼が潔白過ぎて個性がなく、存在感が希薄だったのが残念。脚本としてもう少し魅力を加味された役柄だったらよかったのにと思う。同じく 赵辉も、キャラ的なものか、あるいは演技に依るのか、今一つ精細を欠いていた。
その分、暗躍する悪人たちの色は濃い。出色はやはり 王劲松。いつもながら演技力に感心させられた。一見「いい人」に見せながら実際は一番罪深いという、空恐ろしさを感じさせる凄み。また彼の息子役 冷纪元が、姿かたちも父親に似て、とてもいいお芝居をしていたと思う。
また、若手の恋愛模様は微笑ましかったが、年齢離れ過ぎな中年と妙齢女性とのラブには個人的に全く萌えなかった。
義理やしがらみに絡み取られて道を誤ってしまう人々。流されずに困難と闘う人たち。それぞれの生き方の明と暗を突き付けるラストは切なくて、敢えて無難な描き方でまとめない中国作品らしさが、よかった。
最初から最後まで、躓くことなく面白さに引っ張ってもらえるドラマだった。
久し振りに中国ドラマの感想を書いて、新鮮な気持ちになりました。
他にも完走ドラマや映画、視聴中ドラマがあるので、日々ドラマライフとnoteを楽しみたいと思います。
ありがとうございました!